<全日本大学選手権:上武大11-3東農大北海道オホーツク>◇10日◇準々決勝◇神宮
東農大北海道オホーツク(北海道学生)が、上武大(関甲新学生)に7回コールド負けを喫し、前回開催された19年に続く4強進出を逃した。初回1死二、三塁で古間木大登捕手(4年=遠軽)が二塁適時内野安打を放ち先制。続く守屋秀明中堅手(4年=暁星国際)の右中間適時二塁打で2点先行も、投手陣が相手打線につかまり計3被弾するなど11失点し、押し切られた。
初戦同様、打撃の強みは発揮したが、勝利を引き寄せることはできなかった。3点ビハインドの3回表、2死から古間木の右越えソロで反撃を図るも、その裏、2番手の林虹太(3年=佐久長聖)が被弾。再び点差を広げられた。林は「目の前の打者に集中して投げられなかった。自分の力不足」。リードした古間木は「投手陣は悪くない。自分が、もっと配球の引き出しや打者を見る力をつけないと。課題を克服して、また秋にこの神宮に戻ってきたい」と強い口調で話した。
この日は、PL学園出身で“松坂世代”、三垣勝巳監督の41歳の誕生日だった。初戦は延長10回タイブレークの末、サヨナラ勝ち。勢いをつけ準々決勝に勝ち上がったが、バースデー勝利とはいかなかった。17年秋に就任した同監督は「打撃の積極性は出せたが、守備でしっかり流れをつくれなかった。細かいところが詰め切れていない。秋に向け、取り組んでいきたい」と振り返った。
今大会は、初戦で工藤ジョエル左翼手(桐生第一)が俊足を生かし3安打、この日の4回からは笠間稜世投手(旭川実)が神宮初登板と、複数の1年生が大舞台を経験した。三垣監督は「1年生にも楽しみな子がいる。負けの中にも収穫を見つけないと」。新たな芽を育て、収穫の秋につなげる。
【古間木選手の紹介】
183センチ86キロ 右投げ左打ち
ポジション:キャッチャー
大学通算1本塁打、巧打と俊足が魅力の大型捕手。遠投103mながらも低い軌道から投げ込む強さを持ち、全国大会ではセカンドへの高いバウンドの内野ゴロを走り抜けて内野安打にする俊足も披露しました。
打撃についても通算1本塁打と少ないながらも、インコースへの縦の変化球をしっかりと振り抜き本塁打にするスイングも披露。2年秋から正捕手に座り4番で起用される大型捕手ながら、俊足も持ち合わせる巧打型として注目されています。
【指名への課題】
課題はキャッチングと送球精度。低めを被せて捕る癖が強く、ランナーがいない場面ならまだしもランナーがいる場面でも被せてとることが多く、被せてとると球を持ち直しにくいため、走られてしまうと投げられずに盗塁を許しています。
また送球も低めでもあるもののショートが捕球する直前でバウンドするような非常に取りにくい軌道で投げてしまうことが多く、ショートが取り切れず何度も後逸しピンチを広げる失敗を繰り返していました。捕球・送球に課題があると即戦力とは見なされないため上位指名は難しくなります。
【指名順位予想】
守備面から即戦力でないものの、足の速い大型捕手という珍しいタイプの捕手。ただ俊足のためチャンスメーカーとして起用できそうですが、盗塁自体はあまり企画しておらず盗塁による得点圏への進塁は期待できないため、あくまで下位や2番で足を活かして生き残る程度の者です。そのため長打よりも巧打が求められるため打撃への期待度はそこまで高くありませんが、その分守備に求められるハードルが高くなります。その守備に置いて送球とキャッチングに課題があるため、6~8位となります。