読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

伸びのあるストレートが武器 山梨学院 榎谷 礼央選手 高卒右腕投手

◇21日 センバツ高校野球1回戦 木更津総合2X―1山梨学院(甲子園)
 山梨学院が木更津総合(千葉)に延長13回、タイブレークの末に押し出し四球でサヨナラ負けした。
 山梨学院はタイブレークに突入した直後の延長13回の攻撃が無得点に終わった。直後の裏の守備で無死一、二塁から外野手を1人内野の一塁手横に置く“奇策”をみせた。ただ左飛でのタッチアップで1死一、三塁とされると、4番水野を申告敬遠で1死満塁。ここまで1人で投げていたエース榎谷が5番須永に3―1から投じた5球目がボールとなり、押し出し四球で試合が決まった。
 最速144キロ右腕の榎谷は13回まで155球を投げて2失点に抑える熱投。祖父、父との3世代にわたる甲子園出場で魂の投球を見せたが、勝利には結びつかなかった。

【センバツ】山梨学院・榎谷、155球目が外れ無念サヨナラ…祖父、父に続く甲子園出場も、勝利に手が届かず:中日スポーツ・東京中日スポーツ

 

【榎谷選手の紹介】


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179センチ76キロ 右投げ右打ち

変化球:スライダー・カット・チェンジ

 

 ノーワインドアップから大きく足を上げた後、あまり軸足の重心を落とさずに柔らかい腕の振りから最速144キロ、常時130中盤のストレートを投げ込む右腕投手。120キロ台の横と横のスライダーに120中盤の右打者の膝元に落ちるカットボール、120前半の小さく落ちるチェンジアップを投げこんでいきます。

 武器はスカウトからも回転数のよさを評されるストレート。投げてから伸びていくストレートは右打者のインハイを突き、詰まらせています。またカットボールは一瞬浮いてくるストレートのような軌道ながら、途中で一気に落ちる独特の軌道を持っており、シュート気味のストレートとの見極めが難しく、多くの打者が空振り・見逃しを奪われていました。

 今年の春に今村猛選手を育てた長崎・大崎高の清水央彦監督の指導により腕の振りを改善。角度をつけたことでカットボールが鋭く落ちるようになり、飛躍のきっかけをつかみました。

 回転数の良さと変化球のキレをスカウトから評価されており、今後の成長を期待されるドラフト候補として注目されています。

 

 

【指名への課題】

 課題は対左の被打率の高さ。選抜では対右に対しては縦と横のスライダーでアウトコースを攻めることができ、インコースにはストレートとカットボールのコンビネーションで打ち取ることが出来ており、30打数4被安打で被打率.133と圧倒しています。

 しかし対左は14打数5被安打で被打率.357と3割以上打たれています。カットは変化量が大きく、左打者から見るとストレートと同じように外に逃げていく球となるため、榎谷の左に対するストレートは見逃せばボールになることも多く、カットもストレートと似た軌道の為見逃されています。

  左に対し有効に使えているのはチェンジアップですが、チェンジアップは指に引っかかり抜けてしまうことが多く、決め球として使うには精度不足となっています。横のスライダーもカーブのような軌道で食い込んでくるため打者が見れる時間が長く、変化量にばらつきもあり、左に対してはストレート頼りになっているのが課題となります。

 

 

【指名順位予想】

 独特の軌道で変化するカットボールを持ち、ストレートは回転数の良さがあるため、素材型として評価されています。しかし対左にはストレート頼りでチェンジアップを決め球にするには精度が不足していること。そしてストレートで押していくにはまだ球速が物足りず、シュート回転するためあまりインコースに投げられず、外中心となるためストレートでも押せていません。

 対左対策としてストレートと球速アップ。さらにインコースにも一球挟めるカーブの習得が必要。常時140前半にカーブ習得で6~7位。どちらかのみで育成1~3位となります。