読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

2023年ドラフト指名選手の巨人における起用方針と課題  2位指名 ホンダ鈴鹿 森田 駿哉選手 解禁済左腕投手


 

 巨人にドラフト2位で指名されたホンダ鈴鹿の森田駿哉投手(26)が27日、三重県鈴鹿市の同チーム寮で榑松スカウト部次長、木佐貫スカウトから指名あいさつを受けた。「改めて、本日指名あいさつをしていただいて、プロに対する実感も湧きましたし、いい評価をしていただいたので、本当にありがたく思っています」と心境を語った。

 森田は最速154キロの直球にスライダー、ツーシームが武器の左腕でホンダ鈴鹿所属5年目の今季は全て先発で9試合に登板し、4勝2敗、防御率1・80をマーク。巨人では岡本和や船迫と同級生のオールドルーキーとなるが「社会人5年目にして、評価していただいてドラフトで指名していただけたことはすごいありがたいことですし、僕自身これから頑張らないといけない。他の社会人選手にとっても僕が活躍することによって、他の選手の評価も高まると思うので、そこの代表としてもしっかり頑張っていきたい」と意気込みを語った。

 担当の木佐貫スカウトは「即戦力の一言に尽きると思います。先発かリリーフかは現場の人たちが決めるところではありますが、開幕に合わせるという、そういうのは期待しています」と語った。

【巨人】ドラ2のホンダ鈴鹿・森田駿哉に指名あいさつ 即戦力左腕は「プロに対する実感が湧いてきた」 : スポーツ報知

 

【森田選手の紹介】


www.youtube.com

186センチ86キロ 左投げ左打ち

変化球:スライダー・カーブ・カット・チェンジアップ・ツーシーム

 経歴:富山商ー法政大ーホンダ鈴鹿

解禁年:2020年

 

 セットからオーバースローよりも低い角度から力強く振り抜くフォームから最速154キロ、常時140後半のストレートを投げ込む左腕投手。130キロ台のスライダー、130後半のカット、130キロ台のチェンジアップ、140前後のツーシームを投げ込んでいきます。

 武器は左打者のインコースを突くツーシーム。ストレートの軌道で左打者のインコースに小さく変化するツーシームを決め球にできるようになったことで左打者への引き出しが増え、ランナーを出しても詰まらせて打ち取れるようになったことで投球が安定。打者はインコースを意識せざるを得ず、外へのスライダーをよりいかせるようになりました。

 高校時代は北陸のドクターKと評され高卒トップクラスの評価を得ており、法政大に進学。1年生から登板するも肘を故障し、手術するも4年生まで登板はなく、復帰後もわずか5試合で結果を残せずホンダ鈴鹿に就職しました。

 ホンダ鈴鹿では1年目から起用されるも中継ぎ登板で指名されず、一度プロを諦めたものの、ヤマハとの試合で大量リードを逆転されたことで投手として再起。先発にも挑戦するようになり結果を残したことで即戦力として再び注目されるようになりました。

 

【なぜ獲得されたのか】

 去年の1軍ローテのなかで左先発は外国人枠のグリフィン、メンデス選手と1軍先発実績は1年目の横川選手のみ。井上選手は定着できておらず、高橋選手は結果を残せていない中堅として今回の即戦力ドラフトの一因ともなっています。

 はずれ1位左腕を予定しており、その場合2位は高校生。巨人のスカウト戦略のなかで即戦力左腕の獲得は命題となっており、1位が右腕だったため2位で評価が高い即戦力左腕の森田選手を確実に取りに行きました。

 素材型投手であれば狙っていた選手をとられても他の選手で代替できますが、即戦力となれば獲られた場合のリカバリーは難しくなります。特に左腕は1位以降素材型が多かったため、年齢というネックがあるものの、即戦力を確実に取るために上位指名を使い森田選手を指名しました。

 森田選手は対左に有効なツーシーム・カットを持っているため、リリーフ適性も見出されている選手。27歳ということもあり先発としての期待ですが、リリーフとしても起用のつぶしが効く点も指名された理由となっています。

 

 

【1軍起用への課題】

 左打者に対してはインコースにはカット・ツーシームで詰まらせ外にはスライダーとチェンジアップを使い、外・中ともに安定して投げられる変化球があるため、対左被打率は1割台と安定しています。

 一方で右打者に対しての攻めにはまだ課題を残しており、右に対してはストレートを中心にカーブでカウントを稼ぎスライダーを引っ掛けさせていますが、ストレートの抜け球が左に比べ明らかに多くなっています。特に外に投げ込むストレートが抜けており、左に比べストレートを見せ球にできる球が少ないためストレートを投げるときに力んでおり、特に外に投げるカーブ・スライダーがの精度が甘いことから外に投げる際は力みがより強くなっています。

 1年目からフル回転する即戦力として期待されての指名ですが、今後成績が安定するにはストレートのコントロール向上が鍵。特に右に対してはインコースに投げるストレートの制球が重要となり、安定してインに投げられればより膝元のスライダーがいきるため、ストレートのコントロール

 もしくは森田選手の持ち球の中で唯一球速差の大きいカーブのコントロール向上です。外のカーブは抜けぎみのため、インを意識している相手に外を意識させられる球が一つあれば右打者への攻めの幅も大きくなり、ある程度のストレートのばらつきもインだけにコースを絞れないため打ち取りやすくなります。