読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

28発の右のスラッガー 報徳学園 石野 蓮授選手 高卒右外野手

◆第95回センバツ高校野球大会第6日 ▽2回戦 報徳学園7ー2健大高崎(24日・甲子園)

 6年ぶり出場の名門・報徳学園(兵庫)が健大高崎(群馬)に快勝し、初戦突破した。プロ注目の主砲・石野蓮授(れんじゅ)右翼手(3年)が甲子園1号を含む3安打3打点の活躍で、同校に歴代単独8位となる大会通算33勝目をもたらした。直近の公式戦で6戦5発のスラッガーは、シングルマザーとして5人きょうだいを育ててくれた母・春代さん(49)に感謝の一発をささげた。高知はわずか2安打ながら履正社(大阪)に逆転勝ち。山梨学院も3回戦に進出した。

 母との“約束の1本”は、切れずにスタンドに吸い込まれた。3点リードの8回2死三塁。主砲・石野は2球目の低め直球をすくい上げ、左翼ポール際へ運んだ。「まずは1点を取ろうと安打を打ちにいってのホームラン。1本出てほっとした。守備に就く時、夢のような感じだった」。甲子園初アーチとなる高校通算28号に充実感を漂わせた。

 3回は左前打、4回には右へ適時二塁打。3安打3打点と主軸の役割を果たし、6年ぶりのセンバツ白星、春33勝目に導いた。昨秋の兵庫県大会決勝から近畿大会準決勝・智弁和歌山戦まで4戦連発。決勝は不発も、これで直近6戦5発だ。自慢の長打力に、巨人・岸スカウトは「下級生の頃からいいものを持っていると思っていたが、昨秋に開花した。打球の上がり方が魅力的。広角に長打が打て、それを甲子園で発揮できる勝負強さもある」とうなった。

 スタンドでは母・春代さんが、ひときわ大きな声援を送っていた。「朝早くから起きてご飯を作って、送迎もしてくれています」。女手一つで四男の自身を含む5人きょうだいを育ててくれた母へ届けた1本。「必ずホームランを打つと約束してくれていました。感動しています」と母も興奮を隠せなかった。

 昨秋から筋トレと“食トレ”で体重を79キロから85キロまで増やし、パワーアップした。「センバツ記録は3本と聞いたので、4本打ちたい」と石野。「このまま勢いに乗りたい。勝つことが恩返し。母の支えに感謝を忘れず、次も勝ちます」と、さらなる活躍を誓った。

【センバツ】報徳学園・石野蓮授 女手一つで育ててくれた母に捧げるホームラン 母・春代さん「感動」 : スポーツ報知

 

【石野選手の紹介】


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180センチ85キロ 右投げ右打ち

ポジション:ライト

 

 高校通算28本塁打、チームでは4番で起用される右のスラッガー。大きく足を上げタイミングを取り、強く引っ張ることでレフト方向への長打を量産しています。

 2年の秋に下半身強化を中心とした筋トレと食トレを行い体重を79キロから85キロまで増量。武器だった長打力にさらに磨きがかかり、2年秋の大会では打率.447を記録。スカウトからも秋から目に見えて打撃がよくなったと評価されており、選抜前の大会では6戦中5発の本塁打を放ち大きな成長を遂げています。特にインコース捌きが上手く、インコースへの球をうまく体を捻りヒットにする技術も高く評価されています。

 メンタル面でも消極的になり打席では追い込まれ、自分のバッティングができずベンチ外となることもあったものの、秋に長打力が伸びたことで自分の打撃に自信を持ち、積極的に打てるようになったと語っています。

 2年秋以降に本塁打数を伸ばしており、今後さらなる長打力のアピールが期待されます。

 

 

【指名への課題】

 課題は打撃時のタイミングの取り方。大きく足を上げタイミングを取るフォームをしていますが、このタイミングが投手の投球タイミングと上手く合わせられず、何度も足を上げなおしたり、完全にタイミングを外され手打ちのようなバッティングになる場面が多くなっています。

 タイミングが上手く合わないため、スイングで巻き込める引っ張りの打撃では外野にヒットを飛ばせているものの、タイミングを合わせてシャープなスイングが必要とされるライト方向への打撃はあまり打てておらず、唯一の安打もポテンヒットのため、ライナー性、ゴロ性のヒットは打てていません。

 守備能力は決して高いほうではないため、打撃で高く評価されなければ指名は厳しくなっています。

 

 

【指名順位予想】

 打撃型外野手で長打力が魅力ですが、ライト方向への安打が少ないこと。またライトですが送球技術はあまり高くなく守備・走塁面での評価は低いことから、現状では上位指名の可能性は低くなっています。

 もともと守備・走塁面を求められている選手ではないためプロ入り後はライト・レフトをメインとして起用されることから、アピールが必要なのは打撃となります。

 現在の打球方向はレフト9割、ライト・センター方向が1割程度とかなり極端なため、ケースバッティングができることを示すためにもライト方向への打撃を増やすことが求められます。そのためには投球間隔や変化球でずらされているスイングのタイミングの取り方を改善する必要があり、現状の打撃内容では実績がある分育成下位を受ける可能性は低く、指名漏れの可能性が高くなっています。