<阪神大学野球春季リーグ:大産大5-0関西国際大>◇第1節3回戦◇10日◇南港中央
大産大は投打がかみ合って関西国際大に快勝。先発の松田啄磨投手(4年=大冠)が公式戦初完封で勝利に貢献した。
初回から凡打の山を築いた。「真っすぐが走っていると感じていた。真っすぐを使いながら変化球でうまく打ち取れていた」と手応えを感じながらの投球。許した走者は3回の1安打と4回の1四球のみ。9回を1安打5奪三振でシャットアウトした。
開幕戦では8回途中104球を投げて2失点で勝利投手。中1日で第3戦の先発マウンドだったが、今春オープン戦で試合を重ねるごとに体力をつけており心配は無用だった。「若干張りを感じながらも、良い状態で投げられていた。8回くらいから気持ちで投げていた。最後までもってよかった」とゲームセットまで仕事を全うした。
開幕節での勝ち点奪取に
「絶対に勝ち点が欲しい試合だったので、最後まで1つずつアウトを取って、しのぎきれて良かった」と安堵(あんど)の表情。第2戦では敗れはしたが、久留野健投手(3年=益田東)の完投に刺激を受けていた。次節の相手は4連覇中の天理大。「とにかく自分がやれることをやって、味方の援護を待ちながら勝ちにつながればベスト。チームのエースとして投げるというよりかは、チームのエースになる気持ちで投げている」と柱としての活躍を誓った。
【松田選手の紹介】
186センチ67キロ 右投げ右打ち
変化球:スライダー・カーブ・カット
セットからオーバースローの角度でダイナミックに投げ込むフォームから最速149キロ、常時140前後のストレートを投げ込む右腕投手。100キロ台の縦のカーブ、120キロ台のカットボールを投げ込んでいきます。
武器は高いところから投げ込む落差のあるカーブ。大きな腕の振りから投げ込むため球速以上の緩急差が生まれ、打者の多くがカーブに反応できず見逃しています。
チームでは主に先発で起用。4年春のリーグでは8試合に登板し64(1/3)イニングを投げチーム最多となる7勝を挙げており、最優秀投手賞にも選ばれています。
まだ体も細く伸びしろを評価するスカウトもおり、本人もプロ入りのために体づくりに取り組んでいくと語っています。伸びしろが期待される素材型としてさらなる成長が期待されます。
【指名への課題】
課題はカーブ以外の変化球が武器として使えるレベルまで達してしないこと。松田選手のストレートは130後半が多く、大卒右腕としては物足りない球威となっています。そのため緩急を意識させるカーブで打者のタイミングを外していますが、カーブ以外の変化球、特にカットボールは120キロ台でほとんどでカットボールであることを踏まえても変化量が低く、ストレートは角度があっても低めに投げ込めるほどのコントロールはまだ身についていないため、現状では決め球不足が課題となっています。
カーブはカウントと整えるには使えても決め球としてはストライクを取ってもらえないことも多く、ストレートに狙い球を絞られるため、引っ張りの打撃で痛打されています。
【指名順位予想】
即戦力でなく伸びしろを評価した素材型。このためドラフト指名までにどれだけ成長を見せ伸びしろと自己分析能力があるのかをスカウトに示せるかが指名のラインとなります。
秋のリーグに向けて体づくりに取り組んでいくと語っているため、秋のリーグでストレートが140前半、さらにチェンジ・フォーク系の落ちる球が投げられているかどうかがカギとなります。現状では指名漏れの可能性が高く、上記を達成できれば育成9~10位の完全素材型評価となります。