読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

太田龍・谷岡 竜平・伊藤 優輔・花田 侑樹、育成再契約組の右腕投手の現状について

 巨人は多くの育成再契約選手を抱えており、その多くが故障による育成落ちとなっています。そのなかで中川・平内・高橋・鍬原選手と支配下再契約を果たした選手が一方、育成再契約からなかなか昇格できない選手もいます。

 今回はそんな選手たちの現状。また今後上がり目は期待できるのかについて語っていきます。ただしその対象は右腕投手。さらに支配下指名で入団後に育成再契約となった選手を対象とします。

 

【①:太田龍選手】


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 19年2位で入団した高卒社会人。高校時代は九州BIG4と呼ばれ、JR東日本に入団後1年目から先発として活躍しました。しかし解禁となる3年目に大きく調子を落とし、巨人に入団後もすぐに肘を故障し復帰を果たすも2軍メイン。翌年以降は故障を繰り返し、球速も130キロ台にまで落ち込ませ、3年目のオフには育成再契約となりました。

 そんな太田龍選手ですが、今年も3軍登板がメイン。大きく変わったものの一つが投球フォームであり、太田龍セットポジションで投げ込むことが多かったものの、今年はワインドアップフォームに変更。ゆったりと構え投げ込むようになり、球速も140中盤まで出るようになりました。ただこの球速は中継ぎとして登板しての数字であり、太田選手は制球型でなく球威型のため、真ん中より高めが多い中での140中盤は独立リーグ相手でも空振りを奪えていません。またスライダー系の球もほとんどが高めに抜けているため、長身から投げ下ろすフォームですがあまり角度がなく詰まらせる球を投げられていません。

 現状では支配下はまだまだ先。高卒社会人とはいえ1年目がピークでそれ以降は低迷を続けているため、今年2軍でアピールできなければ非常に危ない立場となってきます。

 

 

【②:谷岡 竜平選手】


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 16年3位で入団。高卒社会人ながら即戦力として期待されオープン戦では好投するも、その後は1軍と2軍の往復となるも、2年目となる18年にはプロ初勝利や最多となる25登板を遂げ来期戦力として期待されました。しかし翌年に右肩関節唇損傷と診断され、その年に育成再契約。長いリハビリを得て復帰登板を果たすも、投手として致命的な怪我であり球速が大きく落ち込んでいました。

 その後はファームではリリーフとして起用され続けるも22年に肘のクリーニング手術で再びリハビリ組に。それからは1度も支配下復帰は果たせておらず、2・3軍を往復する日々が続いています。

 投球内容としては140中盤のストレートに130キロ台の武器であるフォークを中心に投げ込んでいます。しかし課題はこれ以外の球。スライダーは精度不足でカーブはあまりなげておらず、22年に左打者対策としてカットボールの習得に取り組んだものの武器に出来ていません。

 谷岡選手の支配下条件は怪我の状態でなく戦力として計算できるかどうかのため、現状のストレートとフォーク中心でフォークが少しでも甘くなると打たれてしまう投球スタイルでは1軍では計算できないため、支配下はまだまだ先。すでに育成7年目と堀岡選手と並び最長となるため、いつ戦力外になってもおかしくない立場となっています。

 

 

【③:伊藤優輔選手】


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 20年4位で入団。三菱PWから大卒社会人として獲得された即戦力枠でしたが、1年目は2軍暮らしとなり、11月にはTJ手術を受けたことで長期間のリハビリに入ったことで育成再契約となりました。

 そして今年の4月にシート打撃にて復帰。5月にはBC武蔵戦で実戦登板を果たし、出力を上げている状態となっています。ストレートはすでに140キロ中盤が出ていますが、変化球の精度はまだまだ。変化量が落ちほぼ真ん中に抜けているため、今年中の支配下復帰の可能性は低くなっています。

 もともとが即戦力枠でTJ手術後である以上1軍の目途が立たなければ支配下の可能性は低いため、2軍には20試合前後の登板と防御率3点台前半を達成が目標となります。

 

 

【④:花田 侑樹選手】


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 21年7位で入団。3年目は大きく調子を落とし評価が悪くなるも、綺麗なフォームと伸びのあるストレートが評価された伸びしろが期待される高卒右腕となります。

 入団1年目は主に3軍で登板し結果を残していましたが、上半身のコンディション不良でリハビリ組となり、2年目は肘のクリーニング手術も行ったことで育成再契約となりました。

 そして6月25日の新潟BC戦で復帰登板を果たすと2回無失点と上々の結果となりました。

 投球内容については復帰初登板であるためか球速は130後半。ストレートも高めに集まっていたものの、球威以上の伸びで多くの打者が当てられず空振りを奪われていました。変化球はスライダー・カーブを中心に上手くカウントを整えていました。現在高卒2年目で6月末にようやく実践復帰したため、支配下期限である7月末までの復帰の可能性は低くなっています。

 来年以降の復帰の可能性ですが、花田選手は故障による育成再契約で高卒下位と素材型としての獲得のため、2軍である程度投げられれば支配下復帰の可能性が出てきます。