◇1日 東京六大学野球 明大3-0法大(神宮)
慶大は東大に3―0で連勝し、今季初の勝ち点を挙げた。谷村然投手(4年・桐光学園)が決勝2ランを含む3打点を挙げ、リーグ戦初勝利を3安打完封で飾った。東大は開幕6連敗。明大は法大に3―0で競り勝ち、勝ち点をリーグトップの3とした。今秋ドラフト候補の村田賢一投手(4年・春日部共栄)が完封で今季初勝利。法大は勝ち点2で足踏みとなった。
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5安打完封で今春初勝利の明大・村田は「これまで全く援護がなかったので、それに比べれば1回に1点もらったので楽でした」と報道陣を笑わせた。慶大戦では0―0で引き分けるなど、今季は先発3試合で22イニングを2失点と抜群の安定感ながら、この間の味方の得点は1点だけ。この日は先制点をもらい、いつも以上に走っていた直球と自慢の制球力で、法大を圧倒した。
154キロもマークした大学球界屈指の速球派、篠木にも投げ勝ったエースは「球速では憧れるところもありますが、速ければ打ち取れるというわけではない」と胸を張った。ドラフト候補の明大・村田賢一が完封「1点もらったので楽でした」最速154キロ法大篠木に投げ勝つ【東京六大学野球】:中日スポーツ・東京中日スポーツ
【村田選手の紹介】
181センチ90キロ 右投げ右打ち
変化球:スライダー・カーブ・チェンジ・カット・ツーシーム・フォーク・シンカー
セットから足を上げタメを作った後モーションを速くし一気に投げ込むフォームから最速146キロ、常時140前半のストレートを投げ込む右腕投手。110キロ台の横のスライダー、100キロ台のカーブ、120キロ台のチェンジアップ、130キロ台のカットボール、130キロ台後半のツーシーム、130キロ台のフォークを投げ込んでいきます。
武器は140前後ながら構えたところに投げられる制球力のあるストレートと多彩な変化球。左にはカーブ、チェンジ・フォーク右にはアウトコースへのスライダーとインコースへのツーシームを中心に打ち取っていきます。狙い球を絞らせないことで相手打者にしっかりとしたスイングをさせずストライク先行で攻め立てていきます。
チームでは主に先発で起用。これまで右打者へのインコース対応に苦労していたものの、ツーシームを投げ込めるようになったことで右打者に食い込む変化球を投げられるようになり、左右どちらにも苦労しなくなったことで投球が安定。4年春はチームのエースとして7試合に登板し3勝ながら2完投1完封と大活躍を果たし、防御率も0.80と1点台を切る成績を残しています。
23年ドラフトを代表する即戦力候補の一人として期待されています。
【指名への課題】
課題は左打者にはしっかり振り切られていること。村田選手は左右どちらでも被打率は変わらないものの、引っかけた当たりが内野を抜けていくようなヒットが多い右打者に対し、左には内野の頭を超す強い当たりを打たれています。左打者は引っ張り中心となるためライナー性の当たりが増える傾向にはありますが、村田選手の場合、左打者に対して投げる球の球速差があまりないため、ストレートの球速が落ちるクイックになると、少しでも甘いコースにいってしまうと見逃されずに痛打されています。
どの球種も一定の精度で投げ込めていますが、どの球種も強力な決め球として計算できるほどの精度ではないため、時々投げ込んでいる140中盤の非常にキレのあるストレートを安定して投げ込めるようになれば即戦力となりますが、スタミナが切れストレートが140前後の時は変化球でも空振りが取れなくなり、一球の失投をしっかり打ち抜かれています。
【指名順位予想】
制球が魅力ですが、プロで起用するにはやはり球速の遅さが課題。スタミナが落ちて球速が落ちると変化球の変化量も相対的に落ちるため、出力が落ちたタイミングで出てしまう失投をどれだけ打者に見逃させるかがカギとなります。
プロ入り後の起用方法は先発が濃厚となりますが、先発としては調子が悪いとストレートも変化球も浮いてしまい投球が組み立てられなくなる点や、140中盤のストレートは再現性に欠けるうえコントロールもあまりよくないため、今後はストレートの強化。そして決め球であるチェンジ・フォークの精度アップによりよりストライクゾーンが狭くなるプロでもコースで空振りが取れる見込みが出れば3~4位となります。現状の評価では5~6位となります。