＜都市対抗野球：日本通運7－2ミキハウス＞◇第4日◇17日◇東京ドーム◇1回戦
日本通運（さいたま市）が5投手の継投でミキハウス（八尾市）打線を抑え、7－2で白星発進した。
今秋ドラフト候補の最速152キロ右腕、古田島成龍（こたじま・せいりゅう）投手（24＝中央学院大）が先発し4回1／3を被安打5の5奪三振で2失点。沢村幸明監督（43）は「粘りながら、試合をつくってくれた。変化球は高かったが、直球で押せていた」と話した。
1年前に東京ドームのマウンドで味わった悔しさを、晴らした。初回は力みから変化球が浮き、1失点。2回からは気持ちを切り替え、冷静に投げて試合をつくった。「メンタルトレーニングもしているので、いつも以上に落ち着いて投げることができた。去年みたいにあっぷあっぷにはならなかったです」と笑顔で振り返った。
昨年の都市対抗2回戦セガサミー戦、2番手で登板したが1／3回で2失点。ぼうぜんと天井を見上げた。真っ白いドームの光景は、忘れられない。沢村監督からは「これも経験」と声をかけられた。1年経ち、今年は初戦の先発を任される投手陣の柱になった。
「ドームの借りはドームでしか返せないと思っていた。5回を投げきれない詰めの甘さが出ましたけど、大会を通じて成長したい」
今年は声出し応援が解禁され、一塁側スタンドから大声援を受けた。「試合後のスタンドに感動しました。やりがいがあるなと思います」。応援を力に変えて、次も腕を振る。
【都市対抗】日本通運が白星発進 ドラ候補の古田島成龍５回途中２失点「大会通じて成長したい」 - アマ野球 : 日刊スポーツ
【古田島選手の紹介】
１７５センチ８２キロ 右投げ右打ち
変化球：スライダー・カーブ・チェンジアップ・フォーク
解禁年：２０２３年
セットから上半身を少し反らし、オーバースローの角度で投げ下ろすフォームから最速１５２キロ、常時１４０後半のストレートを投げ込む右腕投手。１２０キロ台の縦のスライダー、１１０キロ台のカーブ、１２０キロ後半のチェンジアップ、１３０キロ前後のフォークを投げ込んでいきます。
武器は１４０後半から１５０キロを超えることも多い威力と角度のあるストレート。そこに同じ角度から投げ込むフォークとチェンジアップの組み合わせで打者を打ち取っていきます。
大学時代から最速１５１キロと直球を武器としていましたが、社会人でウェイトトレーニングをするようになり筋力量が増えたことで球威も向上。本人も直球のキレがよくなり空振りやファウルが取れるようになったと成長を感じています。
チームでは主に先発で起用。社会人１年目は中継ぎでの起用が多かったものの、２年目から先発として本格的に起用され、JABA東北大会では２試合を投げ１７イニング無失点と好投。球威のあるパワーピッチャーとしてスカウトからも注目されています。
【指名へ課題】
課題の一つはクイック時のコントロールの悪化。古田島選手はクイック時もオーバースローフォームで投げ込みますが、通常時よりもタメが短くなりクイック気味で投げる必要があるためリリースが早くなることが多く、リリースが早くなることで全体的に高めに投げ込んでしまうことが多くなっています。また変化球も落ちる系の球が多いが球離れが早くなるため変化量も落ち、変化量が落ちたチェンジやフォークが真ん中に抜けるためこれを痛打されています。
武器であるストレートもクイック時で球威が落ち１４０前半～１４５キロになるため、このストレートが高めに抜けると打ち崩れています。５回を超えてスタミナが切れてくるとこのクイック時の課題に加えスタミナ切れで球威や精度が落ち込むため、一人ランナーを出すとそこから崩れる展開が多く、6回まで投げ切れない試合が多くなっています。
【指名順位予想】
ストレートは150キロ台も出せる馬力がありますが、チェンジ・フォーク系が130キロ前後とストレートに比べ球速が遅く、カーブはほとんど投げていません。そのためカウントを稼げる球がストレート中心と絞られやすく、カウントを稼げる球としてスライダーの精度アップが求められます。
またクイック時のコントロール悪化やスタミナ不足の課題もあるため、中継ぎで短いイニングを全力で投げる起用法に限られてきます。中継ぎでフォーク・チェンジ系の球速が上がればある程度は戦力として見込めます。しかし変化球に絶対的な球がないため中継ぎで球速が上がることが前提となり、上がらなければ指名漏れ。130中盤から後半を出せれば６～７位の下位指名候補となります。
