野球のＵ―１８Ｗ杯（３１日開幕・台湾）に出場する日本代表「侍ジャパン」のメンバー２０人が２２日に発表され、聖光学院で主将を務めた高中一樹内野手（３年）が選出された。高中は「日本を背負って戦うのは大変光栄なこと。より相手や野球の技術もいろいろなレベルが高くなってくると思いますが、自分のできることは変わらずに、最後の最後まで泥臭く必死に戦ってきます」と意気込んだ。
今夏の甲子園にも出場し、攻守にわたってチームを引っ張った。２回戦では東北勢で２年連続の決勝に進んだ仙台育英（宮城）に２―８で敗れて日本一こそかなわなかったが、その後は２年生の新チームに混じりながら毎日練習してきた。
２３日にから東京で行われる合宿に向けては「すごい周りの選手のレベルが高いので、劣らないようにしたい」と話し、各校の猛者たちとともに、汗を流して本大会に向け調整していく。
【高中選手の紹介】
１７７センチ７６キロ 右投げ右打ち
ポジション：ショート・セカンド
チームでは１番で起用される巧打と守備範囲が武器の右打ち内野手。左右を問わず打ち返せるバットコントロールとしっかりとしたスイングでライト方向に打ち返し、インコースへの厳しい攻めにも体を回転させ引っ張れるインコース捌きも披露しており、３年生では９試合で３３打数１９安打で打率.５７６と打率５割以上の成績を残しており、三振もわずか１つと１番打者としてチームの勝利に貢献してきました。
また守備では送球精度がよくセンターに抜けそうな当たりを好捕するだけでなく、回転しながらファーストにストライク送球するコントロールを見せています。
入部当初は本人もあまり自信がなかったと語る打撃で結果を残せず、一時は下級生にレギュラーを取られることもありましたが、１年冬から体づくりを目的とした食トレで体重を増やし、チーム１の練習の鬼と評される練習で打撃を伸ばし、２年生では打率４割越えを記録。３年生からはショートスタメンで起用されるようになり、巧打と広い守備範囲が魅力の内野手として注目されています。
【指名への課題】
課題はスイングが大ぶりのためにタイミングが遅れ差し込まれやすいこと。高中選手は左右問わずしっかりとしたスイングができていますが、アウトコースに対してはスイングが大きく振り遅れファールになることが多く、インコースであれば体のひねりが大きいため打球が切れてしまい、これも多くがファールとなっています。
インもアウトも裁く技術はありますがまだ体がついていけておらず、現状のスイングではどうしても甘い球待ちとなっています。球速が遅い投手相手であれば振り遅れはないためヒットにできているものの、投手のランクが上がるとスイングが追いつけずファールになることが多いため、今後はパワーをつけスイングスピードをつけることが求められます。
【指名順位予想】
今年からショートとして本格起用されていますが、ショートとしての動きはよく初動が少し遅いものの、スローイングもいいため伸びしろが期待できます。さらに打撃も体が大きくなりスイングがシャープになれば振り遅れ差し込まれている球にも打ち返せるようになるため、守備能力の高い巧打型の中距離打者として期待できます。
ただ打撃・ショート守備どちらでも伸びしろを期待でどちらも他のドラフト候補を圧倒するほどのものは現状ではないため、指名順位は５～６位となります。練習の鬼でキャプテンとしてチームが崩壊しかけるほどの状況から立て直した実績もあるため、キャプテン候補としての期待も入っています。
