読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

栃木ゴールデンブレーブス  尾田 剛樹選手 独立リーグ右腕投手

今秋のドラフト候補となる選手にスポットを当てる「スポニチスカウト部」。アマチュア担当記者の独自目線による能力分析とともに、選手たちの素顔を紹介する。第34回はルートインBCリーグ栃木の尾田剛樹外野手(23)。独立リーグ挑戦1年目からリーグを代表する外野手となり、スカウトの注目度は急上昇中だ。
 独立リーグの選手は、基本的にドラフト会議では育成指名されることが多い。だが、尾田は支配下指名の可能性もある逸材。50メートル走5秒9の快足外野手は1年目の今年、65試合で打率・292、32盗塁の好成績を残した。攻守に快足を生かしたプレーは輝きを放ち、日に日にスカウト評価は上昇。15日に行われたBCリーグ選抜―巨人3軍戦では「2番・中堅」で出場。初回は三振に倒れるも、4回には右中間三塁打、6回は右前打と結果を残した。

 毎年、9月に行われるBCリーグ選抜とNPB球団との交流試合はラストチャンスの意味合いが強い。「力試し」となるNPB相手の試合に、巨人・水野雄仁スカウト部長ら各球団の幹部が集結。アピールに成功した尾田は試合後に「自分は足が売り。出塁を目指していたのでよかった。打撃の波が少なくなってきたと思います」と確かな手応えを語った。

 地元・兵庫県からは同じ独立リーグでも四国アイランドリーグplusの方が距離的に近い。昨年まで10年連続指名を達成した徳島球団もある。それでも尾田は故郷から遠く離れたBCリーグの栃木を成長の場に選んだ。栃木には元巨人の寺内崇幸監督、元ヤクルトの飯原誉士チーフ総合コーチら、NPB経験豊富なスタッフがそろう。そして、プレーヤーではブルージェイズなどメジャーでも躍動した川崎宗則が所属する好環境。尾田は同じ左打ちで日米通算1526安打の川崎の背中を追った。「走塁でもバッティングでも悩んでいる時に“同じスタイルだから”と一言をもらって楽になりました」と感謝する。

 絶好のアピールの場だったNPB球団との対戦で、尾田は相手のボールを呼び込み、対応力の高さを示した。NPBでも適応できる片りんか。「左打ちの快足外野手」は同じタイプが多く、競争も激しいが、その中でも注目できる一人だ

【スポニチスカウト部(34)】BC栃木・尾田剛樹 上昇気流乗る快足外野手「自分は足が売り」― スポニチ Sponichi Annex 野球

 

【尾田選手の紹介】


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175センチ74キロ 左投げ左打ち

ポジション:センター

   経歴:高野山ー大阪観光大ー栃木GS

  解禁年:2023年

 

 俊足とバットコントロールが高く評価される俊足好打の左外野手。逆らわないバッティングでレフト方向にも打ち返せるバットコントロールを武器に入団1年目ながら1番として起用され、281打数82安打で打率.292を記録。また50m5.9秒の俊足を生かしリーグ2位の32盗塁を記録。広い守備範囲も武器となっています。

 大阪観光大を卒業後プロを目指し独立リーグ入団を考えるが、地元から近い四国アイランドリーグでなく、寺内監督や成瀬・吉川・飯原コーチといったNPB経験者が多く教えを乞える栃木GBに入団。巨人3軍戦ではBCL選抜として出場し2安打を記録。深い当たりで快速を飛ばし3塁打を記録するなどNPB相手にアピールしています。

 

【指名への課題】

 課題はライト方向への打球の弱さと左投手の変化球への対応。尾田選手のヒットはレフト・センター方向のゴロヒットが多く、ヒットの多くが流し打ちとなっています。当初はしっかりと振りきるスイングで力強い当たりも打てていたものの、現在は走り打ちで内野手の間を狙うような当てるスイングとなっているため打球が弱く、内野の正面だとライナー性の強い当たりにならず簡単に捕球されています。

 このスイングが原因で引っ張りのスイングができておらず、左投手の緩い変化球に対して見逃してしまうため、インコース寄りの甘いコースに来ても見逃し手カウントを悪くしています。

 

【指名順位予想】

 左投げ左打ちの俊足好打型でドラフト市場のなかでは競争が激しいポジション。しかし今年は大卒・社会人外野手自体が不作の年であり、急ぎでセンター候補が欲しい球団にとって2・3軍との試合経験がありある程度戦力として予想ができる尾田選手は指名候補となってきます。

 ただし本塁打0本は俊足好打型としてはまだ想定内ですがライト方向に引っ張れる長打力が足りておらず、1軍クラスの左投手の球威を打ち返せるかが不安点となります。現状では育成1~2位。左の俊足好打型は毎年でてくるポジションのため、指名優先度は下がっています。