読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

浅野翔吾選手がヘルニアで将来的に長期離脱の可能性も。その場合のセンター・ライト候補は

ヘルニアでリハビリ中の巨人・浅野翔吾外野手(18)が14日、患部の現状を明かした。川崎市ジャイアンツ球場で軽めのキャッチボールを再開しており、「ヘルニアの割には、(予定より)結構早めに動くことができている」と順調な回復ぶりだという。

この日、宮崎で行われていた秋季キャンプと同様に、ジャイアンツ球場での秋季練習も打ち上げとなった。初めて迎えるオフシーズンに向けてホープは「けがを治さないと何も始まらないので、しっかりと治すことが大事」と万全の状態で来春のキャンプインを目指す。

ヘルニアでリハビリ中の巨人・浅野翔吾「早めに動くことができている」 - サンスポ

 

【浅野選手の持病のヘルニアが悪化。長期リハビリが必要な状態に】


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 浅野選手は持病だったヘルニアの症状が悪化。フェニックスリーグにも帯同せずリハビリが生活が続いています。12月の段階で軽めのキャッチボールができるほどまでには回復しているものの、腰の病気は完治が難しく、特にヘルニアとなれば手術も視野に入れる必要がある問題となっています。

 今回は浅野選手のヘルニアを踏まえ、24年のセンター候補とヘルニアを抱えた選手の復活までの経緯について触れていきます。

 

【ヘルニア手術から1軍復帰まで】

今季はCSで敗れ、2年連続で日本一を逃した。開幕前に首痛を発症。頸椎(けいつい)椎間板ヘルニアだった。打撃不振に陥り、守備にも痛みが波及し、精彩を欠いた。8月には一塁手との併用となった。負担が軽くなり、4番に固定されると復調した。だが、たまに捕手に戻ると痛感することがあった。「久々にやって新鮮な気持ちになるとかはない。『こんなにきついポジションをやっていたのか』と思うくらい」。安住の地には感じられなくなっていた。

阿部の「決断」背中を押した2つの言葉 - プロ野球ニュース : nikkansports.com

 ヘルニアは珍しい病気ではなく、腰もあれば首のヘルニアになる選手も数多く存在します。阿部監督も度重なるファウルチップで首を痛め、引退前では全身に痛みをかかえプレーにも大きく影響が出ている状態でした。

 現在巨人でプレーする選手の中で椎間板ヘルニアの手術歴があるのが直江選手。20年にヘルニアを発症し、痛み止めではどうしようもないほどまで悪化。手術を決断しました。手術前には神経系の手術ということで不安もあり、引退の文字もよぎったほどと語っています。

 手術は成功したものの、リハビリ後手術前のように感覚が戻らず、周りから手術前と動きが明らかに違うと指摘されるほど感覚が変わっており、違和感を感じながらのプレーとなりました。20年10月に手術を受け、翌年6月に支配下復帰しているため、手術から安定して投げられるようになるのに9か月を要しています。

 野手ならば22年に支配下復帰した梶谷選手。21年10月に腰椎椎間板ヘルニアを手術。その前にも腰の痛みで離脱しており、もともと怪我が多い選手でした。ただ梶谷選手の場合、椎間板ヘルニアの手術後に左ひざを手術しているため、膝のリハビリ期間も含まれています。支配下復帰は23年3月。このため支配下までは1年半を要しています。

 

 

 他球団ではヤクルトの川端慎吾選手。17年にヘルニアを発症。一時は保存療法を勧めていたものの、同年に手術を行い回復。翌年には1軍出場こそしていものの、ヘルニア完治後もたびたび腰の痛みに悩まされており、代打起用がメインとなっています。

 ソフトバンク・近藤健介選手は日ハム次代の17年に激しい腰の痛みを訴え腰椎椎間板ヘルニアを発症し6月に手術。なんと3か月半で一軍復帰を果たしています。ただしこのケースは本人も驚くほど順調な回復があっての早期復帰のため、これはレアケースとなっています。

 日ハム・五十幡亮汰選手は22年4月に腰椎椎間板ヘルニアの手術を受けており、同人9月28日に1軍合流。このため復帰までは5か月を要しています。他にも楽天・茂木栄五郎やSB・井上朋也選手なども近年では腰椎間板ヘルニアの手術を受けており、野球選手にとってヘルニアは珍しい故障ではありません。

 大まかに競技復帰までは3~5か月程度。そこから実績復帰し試合勘を完全に取り戻すまではに半年~1年を要しています。

 野球は捻りの運動が多いため腰の故障が多く、プレーに支障が出るほどのヘルニアとなると手術に踏み切るケースが多くなっています。ヘルニアになっても手術しないケースは数多くありますが、患部への負担が大きい野球選手となれば話は別。

 浅野選手はまだ高卒2年目となるため、来年夏になっても痛みが目立つ場合は手術の可能性も出てきます。

 

 

【浅野選手が長期離脱した場合のセンター・ライト候補は】

 浅野選手は2軍ではセンターで起用され、1軍では強肩をいかしライトで起用。このため将来的にはセンター・ライトどちらかでの起用となります。巨人のウィークポイントでもあるため、この2ポジションの固定化は課題ですが、浅野選手が長期離脱となった場合の候補はだれになるのか

 現在の中堅・若手支配下外野手でセンター・ライトを守るのは重信・松原・岡田・萩尾・オコエ選手。そこにドラフト3位の佐々木選手が加わります。


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 この中で期待したいのは新任の矢野コーチから打撃指導を受け、WLでは高打率を残している萩尾選手。ただし萩尾選手の不安は守備要素であり、センターとしては守備範囲が狭く、ライトとしては肩が弱いため、レフト秋広選手となった場合、外野守備が大きな穴となります。


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 岡田選手は打撃面の粗が目立ち、1軍ではどの球種に対してもフルスイングしてしまっているため、1軍の投球術に対応するにはまだまだ経験値が必要です。ファームでも303打席に対し70三振で三振率は.231と高め。守備がいい選手ですが、内野に比べると守備固めの頻度が低く、スタメン全体の得点力の弱さもあり、打撃に粗のある岡田選手はなかなかスタメンに使いにくい状態となっています。

 オコエ選手も秋季キャンプ終盤に腰の痛みで離脱。年俸は上がったため首脳陣は期待こそしているものの、オープン戦での打撃を期待してしまうため、とにかく怪我をしないことが求められます。

 松原選手は今季1軍安打0という不甲斐ないシーズンとなりました。21年に118安打を記録し次代の外野手候補となりましたが、翌年に出塁率を求めてから方向性がおかしくなり、21年をピークに翌年は打率1割、今年は0割となりました。しかし亀井コーチが復活の可能性はあると名を挙げ、阿部監督もマンツーマン指導をするなど、やはり守備面での期待は高い選手。

 

 重信選手は23年は代走としての出場がメインで盗塁数も門脇選手に次ぐ10盗塁。増田大選手が膝の故障後盗塁能力が落ちているため、来季も代走がメインとなりそうです。

 阿部監督はセンターは日本人選手で固めたいと語っており、ライトを守る外国人野手補強の可能性もあります。レフトの場合秋広選手と被ってしまいますが、阿部監督は秋広選手はさらに鍛えれば伸びる選手と評価しており、特に守備面が課題のため2軍スタートもあると語っています。そのためレフト・ライトを守れる外国人野手を補強し、守備と体力に目途がたてば、秋広選手を1軍昇格という可能性もあります。

 

【まとめ】

 阿部監督は外野はほぼ空いているようなものとレギュラー候補は完全白紙としており、佐々木選手を含め支配下ドラフト組は1軍キャンプスタートを表明したため、3ポジションすべてでレギュラー争いが行われます。

 長野・梶谷選手は代打メインで丸選手もセンター守備は厳しいため、WLで結果を出している萩尾選手と未知数で能力の見極めが必要な佐々木選手を試し、同じ左打ちで守備評価の高い松原・岡田選手の2名がポジション争いとなります。オコエ選手は貴重なセンターを安定して守れる右打ちのため、この中では頭一つ抜けています。

 ベテランを起用できないセンターが一番スタメンを奪いやすいポジションのため、センターを奪えないと丸選手や梶谷、長野、秋広、外国人野手と争うこととなり、スタメン奪取はかなり厳しい戦いとなります。