読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

読売ジャイアンツ、2024年に支配下昇格の可能性がある育成選手について【野手編】

 現在の巨人の支配下枠は62名。外国人選手で野手2名、投手1名を獲得することを踏まえても、育成指名に参加するための65名に足りていないことから、育成選手の支配下昇格の可能性が高くなっています。

 今回は2024年に支配下昇格の可能性がある育成選手を紹介。支配下から育成再契約となった選手は対象外とします

 

【捕手】

【①:亀田 啓太選手】2021年育成3位


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 東海大から育成で入団した大卒右捕手。強肩とパワーを評価された選手でしたが、あたれば飛ぶがなかなか当たらないミート技術が課題で、1年目は2軍では12打数2安打打率.167といまいちの成績となりました。

 今年は橋本打撃コーチのもと、打撃改造に着手。17試合で39打数9安打で打率.243となりました。まだ打撃・守備共に課題を残しており、現状の能力ではまだ支配下にまで達していません。

 環境面では22年・23年ともに支配下・育成どちらでも捕手の獲得はなし。直近の課題だった投手陣の整備とセンター候補の確保を優先した形ですが、1軍は大城・岸田・小林。2軍は山瀬・亀田。3軍は大津・喜多・坂本選手となっており、1軍は一人故障者が出れば山瀬選手を上がるしかない状況。

 捕手は唯一他のポジションから緊急のコンバートが難しいポジションであり、喜多選手の支配下支配下期限ぎりぎりの保険枠としての支配下だったため、亀田選手の支配下の可能性としても同様の保険枠。支配下期限時点で1軍捕手に故障者が出ている。または喜多選手の評価が大きく落ちた場合となります。

 

【②:大津 綾也選手】2021年育成10位


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 北海高から入団した守備能力の高い右打ち捕手。高校時代はチーム事情とショートとキャッチャーを何度も転向されており、巨人入団後も3軍内野手が足りない1年目はショートで起用されていました。

 しかし守備能力が高い中田選手が入団した2年目はキャッチャーメインで起用。今年は3軍のみでしたが、ウインターリーグにも派遣され捕手・内野手両方で起用されています。そこでも守備能力の高さを披露しており、内野手どころか捕手までできる究極のユーティリティータイプとなっています。

 捕手の底上げの優先度は他のポジションよりも低いため、大津選手の支配下の可能性も亀田選手と同様の条件。大津選手は高卒でまだ年齢も亀田選手より4歳下ということもあり、亀田選手より優先度は落ちます。

 緊急時の捕手支配下昇格はベンチ枠になりやすい第3捕手になる可能性が高いため、2軍実績が少なく2軍で打席を積ませる必要がある大津選手は不適当となります。大津選手が昇格する場合は純粋な成績昇格。守備評価が非常に高いため、2軍で0本塁打でも.240を残せれば支配下候補となります。

 

内野手

【①:加藤 廉選手】2020年育成12位


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 2年目に血行障害を患いリハビリでシーズンを終えてしまいます。3年目の坂本選手の故障で1軍ショートが足りない状態となったタイミングで2軍打率2割後半を記録し、支配下候補の一人と数えられていました。しかし支配下は敵わず8月以降は打撃も落ち込み、2軍成績は34試合106打数21安打打率.198となりました。

 頭数が求められる投手と違い野手は1試合で起用できる選手数が限られるため、投手に比べると支配下の優先度が落ちてしまいます。

 加藤選手の守備は良くも悪くも堅実。近しい年齢で同じ左打ちのユーティリティー枠として獲得された泉田選手の存在も壁となります。

 一方で巨人はこの1年で廣岡・北村選手とショート・セカンドを守れる選手を2名出しており、それに対して入ったのは泉田選手のみ。1軍の便利屋枠がショート守備が安定していない増田大・若林・湯浅選手で打撃面ではさらに不安が残ります。

 そのため加藤選手が狙うのはこの便利屋枠。坂本選手を下げた後にサード守備を堅実にこなせ、打率も.230程度を残し、課題だった機動力アピールとして2軍で盗塁を積極的に仕掛ける(今年は盗塁数0)ことが求められます。

【②:相澤 白虎選手】2022年育成5位


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 桐蔭学園高から入団した打撃が売りの内野手。春に故障しリハビリに時間がかかったため、同期の田村・吉村・中田選手など成長著しい選手たちに比べ出遅れてしまいましたが、駒田3軍監督や桑田2軍監督からもその打撃能力を評価されています。

 特に売りが長打力であり、初の対外試合で本塁打、フェニックスリーグでも韓国戦で本塁打を打つなど、1年目から打撃でしっかりアピールしています。

 24年はより出場機会を求め外野も練習中。外野手をメインにしていきたいと語っており、アマチュア時代は全く経験はないものの、9月から外野練習に取り組んでいます。ただ未経験だったこともあり、追い方にはまだ不安定さもあります。

 3軍外野手が鈴木・笹原・平山・大城元・舟越選手と打撃面では頭一つ抜けていますが、その分守備面での不安が残るため、まだ支配下候補になるほどではありません。まだ高卒2年目と焦るシーズンでもないため、来年はレギュラーが少ない外野で2軍スタメンを狙い、実績を重ねていくことが求められます。

 

 

【外野手】

【①:鈴木 大和選手】2021年育成1位


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 北海学園大から育成1位で入団した右打ち外野手。重心を低く落とし、非常に低い位置で構える独特のフォームが特徴。武器は50m5.8秒の俊足で、内野ゴロも内野安打にしてしまうかなりの足の速さとなっています。

 ただし明確な課題も持っており、一つが打撃。鈴木選手は低く構えるうえにバットを短く持つヒッティングスタイル。このためパワーが全く乗らず、フリーバッティングでもゴロや弾道の低いライナー性の打球が多くなっています。2軍成績も去年はわずか25打数で安打数は4本。長打率.240と3割を切っています。

 派遣されたWLでも打率は2割を切っており、とにかく打てないことが課題。いくら足が速くても出塁できなければアピールのしようがありません。

 戦力外で俊足の舟越選手を獲得するなど機動力強化を目標としており、鈴木選手はその候補となりますが、同じ外野手でより走塁・打撃が期待できる重信選手が1軍ベンチに控えており、延長戦となった際に打撃が全く期待できない鈴木選手を代走に起用するのはリスクが大きくなっています。

 重信選手がレギュラーを勝ち取れば空いたポジションも狙えますが、今度は松原選手との勝負となります。打撃が課題のため右打ちが魅力とならず、今年が育成3年目となるため、かなり厳しい立場となっています。

 

【②:舟越 秀虎選手】ソフトバンク戦力外


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 周東選手以上に足を持つと評価されている俊足外野手。ソフトバンクを戦力外となるも、3・4軍で68盗塁を記録した走塁能力を評価され、機動力を強化したい巨人により獲得されました。

 本人はまだ走塁は課題があると語っており、さらに走塁能力に伸びしろを残しています。今の巨人に求められる積極走塁も披露しており、代走の切り札として期待されます。

 ソフトバンク時代も打撃・守備はまだまだと評価されており、レギュラーとして起用するには多くの課題を抱えています。しかし舟越選手は他の育成外野手と異なり、戦力外からの獲得。そのため1年で首を切られる可能性がありますが、一方で求められる役割もはっきりしている選手。

 レギュラーが期待される他の選手でなく、舟越選手は代走の切り札として期待され獲得された選手。本人も一芸特化で支配下を狙いたいと話しており、打撃は二の次で走塁と守備が期待される基準までいけば支配下が狙える選手。支配下のラインは2軍で代走として出場し、7割以上の盗塁成功率を達成。さらにセンター・ライトを安定して守れることが求められます。スタメンでなく代走専としての支配下のため、盗塁成功のラインは高くなっています。