読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

巨人は2023年ドラフトで支配下捕手を獲得するべきか

14に放送された『ニッポン放送ショウアップナイター 巨人-西武』で解説を務めた宮本和知氏が、巨人・大城卓三が捕手として成長したところについて語った。

 巨人の先発・戸郷翔征が1-1の3回一死一、三塁で、マキノンに1ボール1ストライクから真ん中に入ったフォークで見逃しストライクとし追い込む。これに宮本氏は「今のは失投ですよ。戸郷の失投をマキノン手を出さなかったですね。逆に腰ひいていましたよね。インサイドの厳しいところからきたフォークボールではないんですけど、マキノン腰を引いていましたから、キャッチャーの大城が見ていたかどうかですよね」とコメント。

 続く4球目の外角フォークでマキノンを空振り三振に仕留めた。宮本氏は「大城はしっかりマキノンが甘いフォークに腰を引けていたのを見ていましたね。外のフォークですね。これはタイミング合わねえぞというところを、キャッチャーの大城君も成長していますよ」と大城の観察力に目を細めていた。

宮本和知氏、巨人・大城は捕手として「成長していますよ」 | ショウアップナイター

 

【巨人は支配下捕手数が少ない】

 大城選手が1軍捕手として台頭し、岸田選手が代打サヨナラ本塁打を放ちました。高卒4年となる山瀬選手も2軍で2本塁打、打率2割後半を残し1軍でも3番手として起用される場面もあり、巨人の捕手層も安定してきました。

 しかしかつての正捕手である小林選手も今年で34歳で打撃だけでなく守備でも衰えが見えており、山瀬選手以降の若手捕手は1軍起用の目途もたっていません。何より巨人は支配下捕手数が大城・岸田・小林・山瀬・喜多選手の5名のみと他球団に比べ支配下数は少なくなっています。萩原選手が故障により育成落ちしているため、支配下数はさらに減っています。

 

【12球団の捕手数は?】

※2023年7月5日時点

 上記は7月5日時点の各球団の支配下・育成捕手数。セパともに支配下は平均6名。育成は2名が平均となっています。3軍を保有する巨人・ソフトバンクは必要な捕手数が他球団に比べ多いため、育成は他球団の2倍の4名となっています。しかし支配下捕手は最低の5名となっており、そのうち1名は34歳の小林選手であることを考えると、捕手の獲得は急務となっています。

 

 

【23年ドラフト市場における捕手候補】


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 23年ドラフト市場における目玉捕手は上武大学・進藤 勇也選手。強肩強打の打てる捕手で大学日本代表にも選ばれており、多数のスカウトが注目しています。流通経済大学・萩原義輝選手や関西大・有馬諒選手がが大学捕手のトップ3となっています。

 それ以外ではフットワークの良さが武器の日本大・友田 佑卓選手。2季連続で3割の打撃を残す慶応大・宮崎恭輔選手や俊足強肩の亜細亜大・小山翔暉選手。再度捕手転向し打率4割の好成績を残す打てる捕手、関西学院大・石井雄也選手と打撃評価が高い捕手が多くなっています。

 

 社会人では1試合3本塁打を放ち大きく注目を浴びた西濃運輸・城野達哉選手に打てる捕手として評価されるパナソニック・久保田拓真選手、リーダーシップが魅力のトヨタ自動車・福井章吾選手が代表格ですが、例年に比べると候補数は少なくなっています。

 高卒捕手で4番で鉄砲肩を誇る報徳学園・堀 柊那選手や同じく強肩の(常葉大菊・鈴木 叶選手、強打の捕手として注目されている福岡大大濠・藤田 悠太郎選手。クリーンナップを打つ打撃が武器の智辯学園・高鷹二郎選手といった選手がおり、目玉選手がいるが全体の候補数でみると不作気味となっています。

 23年ドラフト市場は大卒以外は候補数が少なくなっています。

【24年ドラフト市場における捕手候補】

 ドラフト指名において重要となるのは翌年以降の市場傾向。24年が不作であるなら23年で何としても捕手を補強しておく必要があります。そこで24年ドラフト市場における捕手候補ですが、23年に比べると不作となっています。


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 注目株は大学時代から打てる捕手として注目されたNTT東日本・野口泰司選手。社会人でもすでに2本塁打を放っており、4番捕手として起用されている即戦力候補。東芝・小山忍選手。大卒なら2年生から正捕手として打撃では結果を残す早稲田大・印出 太一選手や3年春に4割3本塁打を記録した中部大・清水 智裕、内外野もこなせるユーティリティー日本体育大・山下 航汰選手などがいますが、やはり候補不足感が目立ちます。

 

 

【巨人に必要な捕手】

 今の巨人は打線の穴が多く打点力はセリーグ4位。特に中田選手の故障後の不調や坂本選手の離脱により打線の穴はより多くなっているため、6月後半の平均得点は2点と得点力が課題。

 捕手層も打撃力が高い大城選手への依存度が大きく、小林選手は緊急事態用の第3捕手の位置づけとなっています。小林選手が34歳、大城選手30歳、岸田選手26歳、喜多選手24歳、山瀬選手22歳と30歳以下の選手は1軍として定着できていません。小林選手が第3捕手のため、第2捕手が確立できていません。このため必要な捕手は打撃評価が高い大卒・社会人捕手。守備型・強肩捕手は山瀬選手がいるため、必要なのは打撃型捕手。20年に獲得した創価大・萩原選手も打撃型捕手であったため、編成も求めているのは打撃型捕手となっています。

 24年は不作なため、23年で支配下捕手を一人は獲得しなければ来年以降の捕手事情はさらに苦しいものとなる可能性が高くなっています。