読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

2軍で4番サードで起用されるフリマン・ティマ選手。魅力と今後の課題は

イースタン・リーグ 巨人2―3楽天(17日・ジャイアンツ球場)

 巨人2軍は楽天2軍に競り負けた。今季のイースタン初勝利はお預けになった。

 1軍の開幕ローテに内定している高橋礼が先発した。初回は2三振を奪う好スタート。しかし、2回に1死三塁から入江に右前適時打を浴びて、先制点を献上した。失点後は130キロ台中盤の直球にスライダーを織り交ぜて封じるも、4回2死一塁で安田の打球が左太もも付近に当たるアクシデントが発生。自力でベンチには戻ったものの、そのまま降板となった。高橋礼は4回途中4安打1四球、2失点だった。

 打線は楽天先発のドラフト1位左腕・古謝に4回まで無得点。反撃を開始したのは3点ビハインドの5回だ。1死一、三塁から山瀬が中犠飛を放ち、1点を返した。さらに、6回には1死一、二塁でティマが中越えの適時二塁打。1点差に迫った。

 7回以降は両チームの投手陣が奮闘してお互いに無得点。巨人2軍はあと1点が遠く、2連敗となった。

【巨人】ティマが2安打1打点も競り負け 高橋礼は打球直撃のアクシデントで4回途中で降板…イースタン・リーグ - スポーツ報知

 

【ティマ選手のここまでの経緯】


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 19年11月と翌年3月に行われたドミニカトライアウトにおいて、デラクルーズ選手とともに合格し育成契約として入団。異例の16歳という若さながらその伸びしろの高さを期待され、巨人は生活面・日本語教育のサポートも行い外国人野手の育成にも舵を切りました。

 残念ながらデラクルーズ選手は故障が続き期待された活躍ができず、23年11月に戦力外となりました。一方でティマ選手は外野手としてレフト・DHをメインに出場していましたが、より起用の幅を広げるためにサードに転向。23年から多くの試合でサードスタメンとなっています。

 駒田3軍監督もティマ選手の身体能力や規格外のパワーを高く評価するだけでなく、向上心の高さも観ており、注目の選手として名を挙げるほどでした。23年にはついに2軍公式戦デビューを果たし、オフには体づくりをはかりまさかの16キロ増の193センチ102キロというとんでもない恵体化を果たしています。

 24年は2軍オープン戦から4番サードでスタメン起用されており、公式戦成績は3試合12打数4安打打率.333となっています。

 

 

【ティマ選手の魅力】

【打撃面での魅力】


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 ティマ選手の一番の武器はなにをとっても規格外のパワー。2・3軍紅白戦では鴨田選手から逆方向に本塁打、戸田選手から2塁打を放っており、視察した阿部監督にもそのパワーを披露しています。

 また公式戦でも楽天戦では23年ドラフト1位の左腕・古謝選手のストレートをはじき返し、芯に当たった打球でないにもかかわらずパワーでセンターフェンス直撃まで持っていき、ロッテ戦ではフェルナンデス投手の154キロのインハイを詰まらせられながらも力で強引にライト前に運んでおり、芯に当たらなくても内野を越せるパワーを披露しています。

 

【守備面での魅力】

 守備面でも素材面がアピールされており、紅白戦ではまだ慣れないサード守備で平凡なゴロを捕球ミスしてしまいますが、その後の送球はメジャーを彷彿とさせる矢のような送球で見事にバッターをアウト。それも振りかぶったようなスローイングでなく、手首を使ったくらいのスローイングだったため、動きと送球が全く一致しないと話題になったほどです。

 

【ティマ選手の課題】

【打撃面の課題】

 打撃面での課題は変化球全般。ティマ選手のヒットの多くはストレートを打ち返したものであり、変化球には全くタイミングが合っていません。完全にストレートタイミングで待ってしまい、外れたスライダーに力のないスイングで一回転してしまったり、真ん中に落ちるカーブ気味のスライダーに全く反応できていないなど、3軍から2軍に上がったことでレベルの上がった変化球に全くついていけていません。

 駒田3軍監督からも変化球に当てようとしてスイングがどんどん小さくなる時期があった、と指摘されており、守備を見ても器用な技術があるタイプではありません。今年は打率はある程度無視しても、2軍の変化球で目を慣れさせ、手を出せるコースの変化球を力づくで持っていく打撃を残せるかが鍵となります。

 

 

【守備面の課題】

 守備面での課題は動きの固さ。サード転向2年目ということもありまだ前後・横の動きともに硬さがあり、特に腰が高いままのためバウンドが変わったりライナー性の強い打球が来ると逸らす恐れがあります。

 送球精度には大きな課題は感じないものの、捕球やチャージ、グラブ捌きといった捕球するまでの動きに不安が残っており、今後2年で改善が見込めないなら打撃と肩を活かし外野再転向となります。コーチ指導については23年3軍内野守備コーチ、24年2軍内野守備コーチはともに脇谷コーチのためコーチが変わり大きく変わるといった可能性は低そうですが、2軍になればより実戦の機会と練習のために2軍球場を使える機会が増えるため、環境が大きく変わるこの1年でどれだけ成長するかが再転向の基準となります。