読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

高水準のスライダーとフォークを持ち合わせる総合力右腕 阿南光 吉岡 暖選手 高卒右腕投手

◆第96回センバツ高校野球大会第2日 ▽1回戦 阿南光11―4豊川(19日・甲子園)

 阿南光(徳島)が、昨秋の明治神宮大会4強の豊川(愛知)を破り、新野として出場した1992年以来、32年ぶりの勝利を挙げた。プロ注目右腕の吉岡暖(3年)が、今春から解禁された2段モーションで4失点完投。8回には今秋ドラフト候補のモイセエフ・ニキータ外野手(3年)に新基準バットでは初本塁打となる2ランを許したものの、現校名で甲子園初勝利を飾った。

 高橋徳(あつし)監督は、元鳴門工の父・広監督と父子2代での甲子園勝利となった。

【センバツ】阿南光・吉岡暖が今春解禁の2段モーションで完投 新野時代の1992年以来、32年ぶりの勝利 - スポーツ報知

 

【吉岡選手の紹介】


www.youtube.com

182センチ78キロ 右投げ右打ち

変化球:スライダー・カーブ・フォーク

 

 セットから足を曲げながらタイミングをとるように膝をもう一度曲げ、上半身を突っ込ませず肘を伸ばした状態で振り下ろすフォームから最速146キロ、常時130中盤のストレートを投げ込む右腕投手。120キロ台の縦のスライダー、100キロ台のカーブ、120キロ台のフォークを投げ込んでいきます。

 武器は見分けのつきにくい縦のスライダーとフォークのコンビネーション。カウント・決め球両方に使える変化球と角度のあるストレートで打ち取っていきます。左打者にはストレートと鋭く落ちるフォーク、右打者にはイン・アウトに投げられる変化量の幅が大きいスライダーと膝元へのフォークを決め球にするため、打者は翻弄され満足なスイングができず、高い奪三振能力を誇っています。

 チームでは主に先発で起用。多くの試合で完投を遂げるスタミナの多さも武器であり、2年秋の四国大会では先発した5試合すべてで完投しています。

 2年冬にストレートのパワー向上を目的として、二段モーションも解禁したことで投球時の軸を作れるようになり、リリースを変えたことでコントロールの伸びが向上。体重も増やしたことでストレートで空振りを奪えるようになり、より変化球がいきるようになっています。

 スカウトからもさらなる成長を期待されており、選抜注目右腕の一人として挙げられています。

 

【指名への課題】

 課題はスタミナが切れてくる後半からの投球の組み立て。吉岡選手の投球スタイルは縦のスライダーとストレートでカウントを整え、2ストライクまで追い込むとより変化量の大きいスライダーとフォークで打ち取っていきます。

 ただどちらも縦の変化球のためスタミナが切れて握力が弱くなると抜け球が増えるようになり、ストレートは変化球に比べるとばらつくため、前半は球威で押し込まれていますが、後半から130キロ前後まで落ちるため見られるようになり、ボール先行で球数が嵩むようになっています。

 特に膝元へのフォーク、インコースへの小さなスライダー、アウトコースへのストレートと変化の大きいスライダーと内外を使えるのに対し、左はフォークの球速が落ちるために低めを使えなくなり、高めに狙いを絞られ打ち込まれています。

 

 

【指名順位予想】

 決め球に出来る変化球を2球種持っており、どちらもカウント・決め球両方に使える精度があるため、あとは本人も取り組んでいるストレートのさらなる出力向上が課題となります。

 ストレートはある程度ばらつくため、ばらつくものと割り切り球威で押し切れる140キロ台まで球速を上げられるか、そして球数が多くなりがちで縦のスライダー、フォークとスタミナが切れてくると精度が甘くなることから、左打者に投げやすい変化球の開発が鍵となります。

 右はあまり投げていない、高めに抜けがちの100キロ台のカーブの精度が上がればさらに有利に投げ込めるため、やはり左向けの変化球と、左に対しメインで投げるストレートの出力向上。この2つが望めれば3位指名候補となります。

 

 ストレートだけなら4位指名候補、現状の評価だと4位後半~5位候補となります。2年生は地方大会のほぼ全試合で完投しているため、1大会につき600~700球を投げており、3年生では夏の甲子園でも投げ続けることが予想されます。投げすぎによる故障のリスクが伴っているため、その分指名順位は下がっています。