<東都大学野球:日大4-1国学院大>◇第3週第2日◇20日◇神宮
日大のエース岸川海投手(4年=二松学舎大付)が今季5試合目の登板で初勝利を挙げた。
前日は抑え役で2/3回を投げ、この日は先発として登板した。9回を被安打4の1失点完投。117球を投げ切った。岸川は「今までふがいない投球をして勝ちにつなげられなかった。前半はまっすぐ一辺倒、途中で変化球を入れて修正できました」と振り返った。
片岡昭吾監督(44)が「次につながるいい投球をしてくれた。代えるつもりはなかった」と評価すれば岸川も「気持ちで投げられればまだまだ行けます」と意欲的に話していた。
【岸川選手の紹介】
180センチ83キロ 右投げ右打ち
変化球:スライダー・カーブ・チェンジアップ
セットから大きく足を上げ、あまり上半身を突っ込ませず柔らかい腕の振りから最速148キロ、常時140中盤のストレートを投げ込む右腕投手。120中盤の横のスライダーに100キロ台のカーブ、小さく落ちるチェンジアップを投げ込んでいきます。
武器は力みのないフォームから繰り出される伸びのあるストレート。コースを突くコントロールと合わせ厳しいところをつける武器であり、そこに落差のあるカーブで見逃しを奪います。
チームでは主に先発で起用。4年生になり本格的に起用されるようになると、8試合を投げ3勝3敗防御率2.94と好成績を残しました。
【指名への課題】
課題の一つはストレートとカーブ以外の精度。ストレートとカーブは安定して使えており、この二つを決め球として使うことが多くなっていますが、スライダー・チェンジではあまり空振りを奪えていません。
スライダーは右打者に使う逃げるタイプはあまり大きい変化をしないため当てられており、チェンジアップは変化量が小さくまっすぐ落ちるため、これも空振りを奪えず球速も右打者のチェンジとしては遅めの為、空振りもあまり奪えず、ストレートとカーブのみしかないのが奪三振の低さにつながっています。
勝負所で使える球がストレートとカーブが大半であるため、落差がありながらもタイミングを絞りやすく、特に右のパワーヒッターにアウトコースをパワーで持っていかれています。
【指名順位予想】
右投手としては全体的な球速不足と、スタミナが切れてカーブが浮いてくると苦しい投球になり連打を浴びて崩れてしまうことが課題となります。
決定的な決め球不足に球種が少ないこともプロでは即戦力とは判断されず、高校時代からあまり球速も大きく伸びていないため、伸びしろという点でも不安視されるため、物足りなさも残ることから、指名順位は指名漏れの可能性が高くなります。
先発として実績は残せており東都1部で注目もされているため、社会人に進みしっかり実績と変化球の精度アップを狙いたいところです。