読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

TJ手術を経験し支配下復帰を目指す巨人・伊藤優輔選手。復活後の姿と1軍を目指すうえでの課題は

 巨人の伊藤優輔投手が18日、都内の球団事務所で契約更改に臨み、100万円減の年俸700万円(金額は推定)でサインした。

 伊藤は三菱パワーから20年ドラフト4位で入団。21年の秋に右肘を痛め、同年11月1日に右肘内側側副靱帯(じんたい)再建術を受け、育成選手となった。それでも今季はイースタン・リーグで約2年ぶりとなる実戦登板を果たすなど、順調に調整を進めていた。

【巨人】育成・伊藤優輔が100万円減の700万円で契約更改 - スポーツ報知

 

【伊藤選手のこれまでの経緯】


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 20年ドラフト4位で三菱PWから入団。即戦力中継ぎとして期待され入団するも、1年目は2軍で16試合に登板。0勝2敗防御率4.30と1度も1軍登板を果たさないまま秋に肘を痛めTJ再建手術を受けました。

 その年に育成再契約となり、長いリハビリ期間を得て23年にようやく2軍実戦復帰を果たしました。現在は2軍で中継ぎとして登板しており、4月11日時点で5試合を投げ無失点と好投しています。

 

【TJ手術を得た現在の投球内容】

 1年目に比べ大きく成長を見せている点はやはり球速。伊藤選手の武器といえば最速156キロの力あるストレートとカットボールのコンビネーション。そこにフォークやスライダーを混ぜて押していくパワースタイルとなっています。

 現在の投球内容は140後半のストレートを中心に130キロ台のカットボールと140キロ台のフォークがメイン。変化球はカウント球や引っかけさせるゴロ球として使い、ストレートで詰まらせる打たせて取るピッチングスタイルとなっています。ストレートを比較的コースに投げ込めているためフォークやカットボールに手を出してしまい引っかけて詰まらせるといった好循環を生み出しています。

 

 

【1軍戦力として活躍するための課題】

 課題は変化球全般のコントロールの甘さ。まだ抜け球が少ないストレートに比べカットボール・フォークは真ん中の打ち頃コースに抜けるものが目立ち、どちらも縦の変化のため抜けると外野に運ばれる長打になっています。

 正直なところ2軍相手だからフライに収まっているほど甘い変化球も多く、とても決め球として計算できる精度にはなっていません。フォークは140キロ台と高速なため精度が上がってくれば強力な決め球になりますが、変化球の精度の甘さは社会人時代から見受けられたため、この1年で大きく向上を期待するのは厳しいものがあります。

 理想はフォークを決め球に平均球速をあと2~3キロ増やし、変化量よりも球速で手を出させ打ち取るスタイルを確立すること。そしてあまり投げていない110キロ台のカーブをある程度投げられるようになれば見せ球にもなるため、決め球といわないまでも、早いカウントで1球投げられるくらいには精度を上げたいところです。左に対してはまだカットボールがありますが、右に対しては計算できる変化球が少ないのも課題となっています。

 今年から本格稼働ですが社会人入団のためあまり時間は残されていません。この1年で大きな変化がなければ、2軍で成績を残しても戦力外の可能性もある選手。