読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

読売ジャイアンツ、2024年に支配下昇格の可能性がある育成選手について【投手編】

 

 現在の巨人の支配下枠は61名。外国人選手で野手2名、投手1名を獲得することを踏まえても、育成指名に参加するための65名に足りていないことから、育成選手の支配下昇格の可能性が高くなっています。

 今回は2024年に支配下昇格の可能性がある育成選手を紹介。支配下から育成再契約となった選手は対象外とします。

 

【左腕投手】

【①:東京国際大 三浦 克也選手】2023年育成1位


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 23年育成ドラフト1位で入団。23年育成ドラフト唯一の大卒選手となっています。最速149キロ、常時140中盤のストレートとスライダーを投げる、豪快な腕の振りが武器の左腕投手。

 チームでは主に中継ぎで起用され、実松スカウトも中継ぎとして評価。本人も短い集中力で投げ切る中継ぎが向いていると語っており、入団後の起用は中継ぎの可能性が高くなっています。

 中川選手の復活、途中加入のバルドナード残留。さらにドラフトでは森田・又木選手と社会人左腕を2名獲得しました。しかし中川・バルドナード選手は勝ちパターンリリーフ。森田・又木選手は先発候補。それ以外の中継ぎは勤続疲労の高梨選手に敗戦処理止まりの今村選手、一皮むけない大江選手。リハビリ中の代木選手と、8回までに導入できる左腕が足りていません。また大江・中川・高梨選手と変則左腕のため、

 右は船迫・菊地選手と次代の中継ぎ右腕がいますが、左は若手中継ぎがいない状態。起用法はリリーフで登板機会も多いため、将来的な中継ぎに1軍経験を積ませるためにも一定の成果が出れば即支配下が期待できる選手です。

 

 

【②:富田 龍選手】2021年育成8位


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 四国学院大から入団した大卒左腕。大学時代は怪我に悩まされ実績があまりないながらも素材型として獲得されました。

 武器は力のあるストレートと鋭く落ちる高速スライダー。この2球種をメインに押していくパワーピッチングスタイルとなっています。

 2年目となる今シーズンでは球速を140中盤から後半まで伸ばし、2軍でも中継ぎで起用されるようになり、25試合を投げ4勝0敗防御率4.71となっています。

  支配下への課題は出力のムラ。ストレートは140前半から後半と非常にムラがあり、140を切ることもあります。高速スライダー、チェンジと速い変化球が多くコントロールはばらつきがあるため、平均球速を上げないと安定して打ち取れていません。

 成績も三者凡退と炎上を繰り返すような投球内容となっており、左腕中継ぎは不足しているものの、まだ支配下が期待できるほどの安定感がありません。

 

【③:吉村 優聖歩選手】2022年育成3位


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 背番号が見えるほど大きく体を捻り投げ込むトルネード投法が武器の変則左腕。1年で体重を18キロ増やし、プロ入り前は最速144キロだったストレートは平均140前半になるまで成長。フェニックスリーグでは6試合9イニング無失点と好投し秋季キャンプにも呼ばれた期待の星です。

 2年目に向けて杉内コーチとスライダーの改良に取り組んだり、オフでは同じ変則左腕の高梨選手とともに自主トレを行っています。

 支配下への課題は変則左腕共通の課題である対左への決め球。ストレートとの軌道でスライダーやチェンジを投げ込めるため膝元に落ちる右を打ち取りやすい一方、どの球も外に流れるため左打者のインコースに投げる球が不足します。

 杉内コーチからもまだ1軍では変化球が通用しないと指摘されており、本人も変化球改造を中心に取り組んでいます。

 中継ぎ不足から2年目の代木選手を中継ぎとして起用した結果、肘関節のクリーニング手術を受けリハビリ中。まだ体が完成していない段階で支配下からの1軍起用は故障のリスクが高くなるため、無理に支配下するタイミングでもありません。

 

【右腕投手】

【①:京本 眞選手】2021年育成7位


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 明豊高校から育成7位で入団。長身から投げ下ろすストレートとチェンジアップが武器。順調に成長を見せており、現在は平均球速140中盤まで伸ばし、スライダーとカーブでカウントを稼ぎながらストレートとチェンジで打ち取ります。

 1年目から杉内コーチも驚くほどの成長を見せており、最速を10キロ伸ばし、2年目では2軍の先発ローテとして15試合5勝4敗防御率2.36と好投。

 現在は新たな武器としてツーシーム習得を目指しており、130中盤まで出るようになったと手ごたえをつかんでいます。

 支配下に向けた課題は

 自由契約となる育成3年目となるため、他球団に取られるリスクを踏まえると、1軍即戦力とみなされなくても期待を込めて支配下になる可能性があります。

 

【②:山﨑 友輔選手】2020年育成10位


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 福山大から育成10位で入団した大卒右腕投手。カウントを稼ぐスライダーとフォークのように落ちる2種類のスライダーが武器で、1年目はファーム投手に故障者が相次ぎ無茶な起用法をされました。

 ある程度投手運用が落ち着いた2年目以降は中継ぎをメインに登板し、勝負の年となる育成3年目の2023年は140中盤から後半の角度あるストレートを武器に2軍で19試合3勝0敗防御率1.95。1軍の練習にも呼ばれ、中継ぎの救世主候補として支配下が期待されましたが、残念ながら支配下はなし。

 現在は三沢コーチのアドバイスでフォーム改造に着手しており、自身が課題として挙げている調子の波を改善するべく練習しています。

 支配下の課題は変化球の精度。特に落ちる球のスライダーの変化が早く、鋭く落ちても打者に見逃されています。また変化球も全体的に高め。時々決まるパワーカーブやスライダーは決め球として十分な球ですが、その球を安定して投げられないのが課題。

 そして支配下の壁は外的要因にも表れており、今年巨人はトレードで中継ぎ要員としてSBから泉選手、オリから近藤選手を獲得どちらもストレートが武器で泉選手は角度とスライダー、近藤選手は伸びあがるストレートが武器。ストレート・スライダーPの山﨑選手と被っています。

 

 さらに阿部監督が2軍から上がった先発候補に敗戦処理で経験を積ませる方針を打ち出したため、山﨑選手の起用法で多かったロングリリーフ枠も埋まってしまい、山﨑選手の勝負どころが埋まっている状況。

 今後はさらに球速アップを図り150キロ前後を投げ、さらに今の巨人中継ぎに少ない落ち球を計算できる投手になれば支配下の可能性が出てきます。

 

【③:笠島 尚樹選手】2020年育成3位


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 スリークォーターの角度から投げ込む高卒右腕。先発・中継ぎ両面で起用され、平均球速を140中盤から後半まで出せるまでに成長しています。ばらつきが目立った投球もストレートのコントロールが安定するようになったことで、

 3年目となる23年は主に3軍登板となり、2軍登板は3試合のみ。来季は2軍で投げていた中堅投手の多くが戦力外となったことで、その分3軍から投手が昇格となります。右の中継ぎはトレードで2名補強したものの、笠島選手のようにスリークォーター中継ぎはあまりいません。

 より腕の角度が低い船迫選手こそいるものの、今年の実績から勝ちパターンも期待されるため、計算できる変則右腕はもう一人欲しいところです。来年は2軍メインで登板し、中継ぎが故障続きで不足すれば緊急昇格。そうでなければ再来年が支配下勝負の年となります。