読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

池田選手とトレードでウィーラー選手を獲得。その意図と起用法は

 

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楽天ゼラス・ウィーラー内野手(33)と巨人池田駿投手の交換トレードが合意に達したことが25日、分かった。同日中に発表される。

4勝1敗と開幕ダッシュを決めた巨人にとっては補強ポイントに合致する「右の大砲」。ウィーラーは15年から楽天でプレーし、昨季まで通算105本塁打を放っている。左腕の池田は16年ドラフト3位で入団し、62試合の登板経験がある。

 

ゼラス・ウィーラー 1987年1月16日、米アラバマ州生まれ。07年ドラフトでブルワーズから指名され契約。12年にオリオールズ、14年にヤンキースへ移籍。メジャー通算29試合で2本塁打、5打点、打率1割9分3厘。15年に楽天入り。17年にベストナイン獲得。19年に来日通算100本塁打を達成。NPB通算596試合、106本塁打、345打点、打率2割6分2厘。178センチ、100キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸2億円。

 

◆池田駿(いけだ・しゅん)1992年(平4)11月29日、新潟・出雲崎町生まれ。小3から野球を始める。新潟明訓ではエースとして3年夏甲子園ベスト8。専大では2部通算13勝16敗。15年にヤマハ入社。16年秋の日本選手権で優勝しMVP獲得。同年ドラフト4位で巨人入団。通算62試合で1勝3敗、防御率3・86。174センチ、78キロ。左投げ左打ち。今季推定年俸1450万円。

楽天と巨人でトレード合意 ウィーラーと池田を交換 - プロ野球 : 日刊スポーツ

 

 

 

【巨人側の意図とは】

【①:異例の5人枠の活用】

 巨人がウィーラー選手を選んだ理由についてはこのようにコメントしています。

 巨人・原辰徳監督(61)が25日、楽天から獲得したゼラス・ウィーラー内野手(33)について「うちにはいないタイプの選手。守備も色んな位置を守れるということで、間違いなく戦力になってくれるでしょう。外国人枠が今年は5人という部分においても、いい補強してくれたなと思います」と期待の言葉を並べた。

楽天では主に三塁を守っていたが、一塁、外野も守った経験を持つ。チームには主砲・岡本が三塁手として君臨するだけに、指揮官は「三塁ではないということは言えますね。そこは動かしたくない。まずは一塁か、あるいは左翼でしょう」と話した。

【巨人】原監督も新加入ウィーラーに期待大!「うちにはいないタイプ。いい補強」 : スポーツ報知

  今年は新型コロナで過密日程となったことで起用選手への負担を考え外国人枠を5枠に増設。一方で巨人の支配下外国人はパーラ・サンチェス・メルセデスデラロサ選手がレギュラーで次点でビエイラ選手。期待込みでモタ選手、支配下期限と先発不足に備えディプラン選手の2名を支配下昇格したため支配下外国人は7名となっています。ただモタ・ディプラン選手は即戦力ではなく、ビエイラ選手も制球難が改善すれば戦力になるという保険かつ成長見込みの選手。このため外国人枠はスカスカとなっています。

 

【②:右打者不在問題】

 巨人は左に比べ右の長距離打者が不足しており、特に外野は陽選手以外右打ち野手自体が少ないため、対左だと陽選手固定となっています。一方陽選手も調子の波が激しいためレギュラーとして固定できておらず、外野のポジションでも唯一固定できていませんでした。

 そこでレフトでも起用されていたウィーラー選手で右打ちのレフトを固定することで打線の強化を図っています。

【⓷:池田選手の優先度の低下】


【巨人】 紅白戦6回 田原誠次 藤岡貴裕 両投手が好投 2020年2月8日

 当初は左の中継ぎとして期待されたものの、1年目に故障してからコントロールが悪化。2軍と3軍を往復する日々が続いており、それでも左の中継ぎが不足していたため残されていました。

 

 しかし日ハムからトレードされた藤岡選手がここにきて台頭。中川・高木選手が固定されており、怪我で離脱しているものの戸根選手もいます。そのため社会人出身ながら戦力として定着できていない池田選手の優先度は低くなってしまいました。

楽天側の意図】

【①:外国人枠の圧縮】

 楽天の外国人枠はシャギワ・ブセニッツ・宋家豪の3投手で固定できており、過密日程で投手への負担が大きいことから安定しているこの3投手は外せません。野手もブラッシュに中日から獲得したロメロ選手で不足していた長打力をカバーできています。

 

 さらにFA獲得の鈴木大地選手をサードで起用していたため、サードスタメンだったウィーラー選手の出場機会が減っていました。上記5選手を外してまでウィーラー選手を起用するメリットは薄く、これでウィーラー選手が低年俸なら保険で残しておけますが、ウィーラー選手の年俸は2億。保険で残すには高すぎるため、本人が出場機会を求めたこともあり、楽天側から提案したトレードとなっています。

【②:高梨選手の負担減】

楽天ドラフト3位の筋トレ大好き右腕、津留崎大成投手(22=慶大)が“マッスルデビュー”を果たした。21日、オリックス3回戦の5回からプロ初登板し、1回を無安打無失点に抑えた。

「筋肉対決」から第1歩を踏み出した。先頭は好機時の登場曲に「Macho Man」を採用する強打者の吉田正。両肩をすくみ上げ「ふー」と深呼吸から相対した。高速に曲がり落ちる「マッスルカーブ」で空振りを奪い、最後は外角低めのカットボールで見逃し三振。米通算282本塁打のジョーンズもこの日最速149キロの真ん中直球で二ゴロ。2四球も後続を抑え「太田さんの構えてくれたところに思い切り腕を振ることだけを意識した」と小走りで引き揚げた。

慶応高(神奈川)3年時の右肘手術を機に、ムキムキの筋肉を目指した。カブスダルビッシュ、ボディービルダーを参考に、デッドリフトは200キロもこなす。球速はぐんと伸び、最速153キロを誇る。ジムが使えない自粛期間中は懸垂ラック、32キロ可変式ダンベル、アジャスタブルベンチを通販で購入。最善を尽くした。練習試合では4回1/3を無失点。新人投手唯一の開幕1軍をつかんだ。

楽天マッスル津留崎1軍デビュー「腕振ること意識」 - プロ野球 : 日刊スポーツ

 右は外国人3名に森原・青山・石橋選手に加え新人の津留崎選手が台頭しています。一方で左は高梨選手と松井選手がいましたが松井選手は先発転向。最近のドラフトでも渡辺選手と弓削選手を獲得しましたが弓削選手は先発となりました。

 このため左は中継ぎの候補自体が不足しており、今年は過密日程で中継ぎの負担が増えることから左の候補を増やした形となっています。