読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

巨人の2020年支配下指名を振り返る まさかの先発1名のみ

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 今回は即戦力指名と早めに宣言されていた支配下指名。しかし結果は意外な方向に転がりました。その内容について振り返ります。

 

 

【1位指名】亜細亜大 平内 龍太選手 大卒右腕投手


【156キロ右腕】平内龍太 (亜細亜大) 150キロ台連発で三者連続三振 ドラフト候補の豪球右腕 2020/9/22

185センチ90キロ 右投げ右打ち

 近畿大・佐藤選手を外したことで宣言通り大卒・社会人投手を指名しました。指名した平内選手は去年右ひじのクリーニング手術をしたことで痛みがなくなり、4年秋のリーグで最速156キロを記録しました。

 担当した脇谷スカウトもストレートと伸びとフォークの精度を評価しており、即戦力として期待しています。

 先発登板もしたことはあるものの、その際は140前後のストレートでかなりセーブしており、スライダーで打ちとっていました。このため巨人としては球速を評価しているため中継ぎとしての起用と思っていましたが、まさかの巨人は先発として期待。どちらかといえばリリーフタイプに思えましたが、1位で獲得した選手をいきなりリリーフ起用はハイリスクという面もあるので、まずは先発で起用してみて駄目ならリリーフとなるでしょう。

 

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【2位指名】東海大 山崎 伊織選手 大卒右腕投手


豪腕 山崎伊織投手(明石商→東海大)!150キロを超えるストレート!大学で順調に成長!

181センチ72キロ 右投げ左打ち

 1位クラスと称された即戦力右腕。しかし肘を故障しTJ手術を受けたことで1年以上投げられないため、社会人に進むことが公表されていました。

 

 しかし直前になりまさかのプロ志望提出。東海大のパイプで上位指名を条件にプロ志望を提出させたと思われます。怪我が治れば2桁勝利もできる素材とスカウトは評価しており、1年目に5勝するタイプでなく3~5年目に10勝できる選手に賭けたドラフトとなります。

 ただ倒壊するローテ状況で1年以上投げられない投手を獲る余裕はあるのだろうか。

 

【3位指名】中京大中京高 中山 礼都選手 高卒左内野手


【ショート守備上手すぎ】ドラフト候補の中山礼都くん(中京大中京)の守備が上手すぎる【第50回明治神宮野球大会 決勝 健大高崎×中京大中京2019年11月20日】

182センチ80キロ 右投げ左打ち

 高卒の中でも高い評価を受けている強肩に守備範囲の広さ・グラブさばきと守備面での評価の高い巧打のショート。182センチ80キロという恵まれた体格をしており、地方大会では驚異の打率6割越えを記録しています。甲子園があればより高い順位で指名されていたと評価される選手であり、各球団が投手優先指名をしていたことで3位まで残りました。

 

 まさかの上位2・3位を手術明けの投手と高卒ショートに使いました。坂本選手の後釜を育てていかなければならない状況に来ており、増田選手もいまいちショートとして定着できておらず、湯浅選手も波がある。黒田選手は眼底骨折でプレーへの影響が懸念されています。

 坂本選手のショートとしての限界を2~3年後と見据え、打撃評価の高い中山選手を獲得し内野の底上げを図ります。ただ高卒で1年目から2軍で起用できる内野手を獲得したということは、現在ファームで内野を守る選手の戦力外の可能性が高くなりました。

 

【4位指名】三菱パワー 伊藤 優輔選手 社会人右腕投手


2020/08/30 三菱日立パワーシステムズ・伊藤優輔投手

179センチ78キロ右投げ右打ち

 9月に最速を155キロを更新したリリーフ右腕。オーバースローから投げ下ろすストレートが武器のパワータイプピッチャーです。

 社会人1年目からリリーフで結果を残していたため、今年コロナで全国大会が中止になった中、数少ない全国大会での実績を持っている投手です。右腕リリーフが不足している中で即戦力リリーフを期待しての獲得となります。特に澤村選手をトレードしたことでパワータイプリリーフが不足しているため、ここは1軍事情を見ての獲得となります。

 

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【5位指名】二松学舎大付 秋広 優人選手 高卒左内野手

 

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 200センチ95ロ 右投げ左打ち

 すいませんこれは予想無理でした。だって即戦力言うてたやん。一番離れている選手やろ。身長2mの超長身ピッチャー兼内野手。早稲田大・今西選手と並ぶロマン型選手となります。

 巨人としては投手・内野手として指名。つまりどちらでも起用する可能性があるというロマンに賭けた指名となっています。どちらかといえば野手として期待したい選手ですが、

 

【6位指名】中京大学 山本 一輝選手 大卒左腕投手


2018/6/12 【2020年プロ志望届提出】 山本一輝 (中京大学) 2年生 サウスポー 大学選手権/富士大学戦 全投球 3回5奪三振 【145km/h 計測】

 

180センチ81キロ 左投げ左打ち

 ここにきて初めての左腕投手。最速147キロですが、球の出どころが見にくく球速以上に差し込まれる変則左腕となります。リーグでは主に先発として起用され圧巻の成績を残しており、さらにカットぼールを覚えたことでさらに成績をあげています。

 左腕中継ぎが1・2軍をみても中川・大江・高梨・高木選手の4名のみであり、左中継ぎの底上げは課題の一つでした。スタミナもある左腕中継ぎとして期待されます。

 

 

【7位指名】創価大 萩原 哲選手 大卒左捕手

 


2019/09/29 創価大・萩原 哲捕手のバッティング

 

174センチ87キロ 右投げ左打ち

 二塁送球1.9秒の強肩として高く評価される左打ちの捕手。さらに今年は打撃面でも成長を見せており、巨人もコメントを残していました。

 今年は捕手を多めに指名することを公言していたため指名候補に入っていた選手。打撃はまだ即戦力でないものの小林・炭谷選手の衰えを考慮して3~4年後の1軍戦力を期待しての獲得となりました。

 

【全体的なまとめ】

 5位の秋広選手以外は薄くなっていた中継ぎ補強をメインとし、パワー型右腕を1名、変則左腕を1名と中継ぎを2名補強できました。投手補強をメインとしていた他球団を出し抜くように上位候補のショートを3位で補強しました。次代のショート候補が出てきたおらず坂本選手の後釜の獲得も大事なポイントではありました。

 

 振り返れば全体的にバランスが良かったように見えますが、問題は先発候補が平内選手1名のみです。山本選手がリーグでは先発をしているものの、6位指名の選手を1年目から先発で起用できると見込めるほど現実はあまくありません。

 これは今年FA候補となる中日・大野選手やヤクルト・小川選手を獲得する前提のドラフトであり、またメルセデス選手が故障が多く計算しにくいため、来年もう一人先発型外人を獲得する可能性があります。