読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

2020年ドラフト指名選手の巨人における起用方針と課題  1位指名 亜細亜大  平内  龍太選手 大卒右腕投手

 

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巨人からドラフト1位指名を受けた亜大の平内(へいない)龍太投手(22)が30日、都内で指名あいさつを受けた。

 最速156キロでスプリットも操る本格派右腕は「実感がわいてきました。緊張しました」と初々しく語った。大塚副代表は「開幕ローテに入って1年目から2桁(勝利)、それだけの力がある」と期待を込め、平内も「先発として10勝できる投手になれるようにしたいです」と話した。

【巨人】ドラフト1位指名の亜大・平内龍太 「先発として10勝できる投手に」 : スポーツ報知

 

 

 

 【平内選手の紹介】


【156キロ右腕】平内龍太 (亜細亜大) 150キロ台連発で三者連続三振 ドラフト候補の豪球右腕 2020/9/22

186センチ90キロ 右投げ右打ち

変化球:スライダー・カーブ・スプリット・ツーシーム・フォーク

 

 セットからテイクバックの小さい腕の振りで最速156キロ、常時140後半のストレートを投げ込む右腕投手。打者の近くで急激に落ちるフォークや非常に大きく変化するスライダーなど、変化球でも空振りを奪えます。高校時代からネズミによる肘の痛みに悩まされていたものの、監督に促され春に除去手術を受け8月に実践復帰。痛みがなくなったことで腕が振れるようになり最速をどんどん伸ばしていき最速156キロにまで至りました。

 チームでは当初リリーフとして起用されていましたが、リーグ終盤で先発として起用されると5回1失点と結果を残し、そのあとは東洋大相手に9回1失点で完投をとげました。結果4年秋は7試合に登板し3勝1敗防御率1.27と結果を残しました。

 

【なぜ指名されたのか】

 1位指名で佐藤選手を外し、当初からはずれ1位では即戦力投手を獲得することが明言されていました。外れ1位指名時点で残っていた1位候補は慶応大・木澤選手に法政大・鈴木と平内選手でした。その時点で即戦力投手が最優先補強とあげていた残り球団はヤクルト・ロッテ・西武。しかしロッテは左腕中継ぎも不足しているため左の補強が優先課題と報道されていました。

 

 一方でヤクルトは平内選手を単独指名候補に挙げており、西武は不明。そのため警戒すべきはヤクルトでしたが、ヤクルト側からすれば手術明けの選手をドラフト上位が故障続きでスカウトを更迭した巨人が取るわけがないと踏んでいたのかもしれません。このため木澤選手を獲るだろうと踏んで、鈴木選手を外した際に獲得と見込んでいたらまさかの指名。巨人としてはある程度完成していた木澤選手よりも、故障明けでここから安定感が増して伸びしろが期待できる平内選手を期待しての獲得となります。

 巨人は指名時点で起用されていたリリーフでなく先発として期待。最悪不足しているリリーフとしても潰しが効くという算段も出来ましたが、指名後に先発で結果を残せているため、先発として見込むというスカウトの評価はあながち間違いでもなかったようです。

 

【1軍起用への課題】

 決してコントロールに優れているタイプではなく、ストレートは球威で、変化球の大きな変化で打ちとっていきます。このためコースを狙って打ちとるのでなく、大まかなゾーンのなかで球威・変化量でボールに当てさせないスタイルとなります。

 ストレートが多少シュート回転しているため、右打者に対してはスライダーが重要となってきますが、スライダーの精度が安定していません。決まる時は素晴らしい変化をしますが、真ん中付近にも集まりやすいため、危険な球となっています。

 

 今は全力投球で球速も出せるため勢いで抑えられている部分もありますが、肘や肩に負担が大きいフォームで全力投球となるとシーズンを通してのスタミナが不安になるため、ギアを下げた投球術が必要となります。球威で抑えるためスタミナが落ちると球速が落ちてくるため、今のある程度ばらけている投球内容では試合を組み立てられなくなる恐れがあります。

 ギアを落とせない場合はできるだけ球数を使わない投球が求められるため、全体的に球速がある以上、カットボールやチェンジアップのような当てられないように抜くような球があれば空振りを奪え、カウントを稼げる変化球も出来て投球の幅を広げることが出来ます。