読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

2021年ドラフト指名選手の巨人における起用方針と課題  3位指名 日本大 赤星 優志選手 大卒右腕投手

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15日、巨人からドラフト3位で指名を受けた日本大学の赤星優志投手が巨人・水野雄仁スカウト部長、脇谷亮太スカウトから指名挨拶を受け「優勝に貢献できるように頑張っていければ」と決意を語りました。

水野スカウト部長らを前に終始緊張した面持ちの赤星投手。「憧れの世界でやってこられた方たちだったのですごい緊張しました」と初々しい一面を見せました。

4年前、高校3年時のドラフトでは名前が呼ばれることはなく悔しい思いをしましたが、11日のドラフト会議では巨人から3位指名。ドラフトから数日たち、気持ちの変化を聞かれると「呼ばれた瞬間は実感が湧かなかったですが、日にちがたって色々な方から連絡をいただいて、プロに入れたんだなという気持ちが大きくなりました」と話しました。

6人きょうだいの末っ子で、兄の影響を受け、野球を始めた赤星投手。抜群のコントロールを武器に、春の東都リーグ二部でチームを優勝、一部昇格に導き、現在秋のリーグ戦でも活躍。プロ入り後の目標について「数字の方はまだ考えていないですけど、優勝に貢献できるように頑張っていければ」と1年目から1軍での活躍を掲げました。

水野スカウト部長は「春から秋にかけて一番安定感のあるピッチャー。左ピッチャーに人気が集まって3位になりましたけど、1位2位の力がある。3位まで待たせてしまった。春先からローテーションを狙えるピッチャーになってほしいと思います」と大きな期待をかけています。

巨人ドラフト3位・赤星優志「優勝に貢献できるように」水野スカウト部長「ローテ狙える」(日本テレビ系(NNN)) - Yahoo!ニュース

【赤星選手の紹介】


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176センチ80キロ 右投げ右打ち

変化球:スライダー・カット・カーブ・チェンジアップ・フォーク

 

 セットから軸足の重心を落とし、右手をしならせた腕の振りから最速152キロ、常時145前後のストレートを投げ込む右腕投手。小さく横に変化するスライダーに変化量の小さい引っ掛けるチェンジアップ。右打者に食い込んでくるカットボールなどを駆使し打ちとっていきます。

 全体的に小さな変化量の球で打たせて取る投球を武器としており、コースを狙える高いコントロールがそのような投球を可能にしています。

 4年春は先発エースとしてフル回転し、9試合で3勝1敗防御率0.78と好投。入れ替え戦では東洋大相手に9回1失点で1部昇格に大きく貢献。上位候補として注目されるまでになりました。

 

【なぜ指名されたのか】

 安定した先発投手は菅野ー戸郷ーメルー高橋ー山口のみ。今村選手は波が激しく、直江・戸田選手は球威不足。井納選手は論外と、不足する即戦力先発として獲得。

 表ローテを期待できるタイプではありませんが、裏ローテとしてある程度計算ができるタイプ。表ローテになるには今の能力では足りませんが、先発の頭数が不足している巨人にとっては欲しかった選手の一人。また巨人がここ5年で獲得した大卒・社会人右腕は畠・鍬原・太田・伊藤とパワータイプが目立ちます。そのなかで今の巨人にはいないコントロールを武器にする投手となっています。

 

 

【1軍起用への課題】

  変化球で芯外しひっかけさせる打ち取り方に、コースぎりぎりに投げ込めるコントールで見逃しを奪うのが赤星選手の投球スタイル。しかしプロになるとストライクゾーンがアマチュアよりも狭くなるため、今よりも見逃しを奪うハードルは高くなります。
加えて赤星選手は全体的に変化球の精度はいいものの、特筆して高いものがない総合型。

 変化球については球威不足感が否めないため、全体的に3~5キロアップが理想となります。空振りを奪える変化球があればより投球の幅が広がり、赤星選手であれば外に投げるスライダーが当てはまりますが、変化量が小さいため、変化量を増やすには大きく弧を描くカーブのような軌道で投げる必要があり、打者がボールを見れる時間が長く、こちらも球速か変化量アップが求められます。
 右打者への課題はまだあり、外にはスライダー、内には食い込むツーシームで内外を使いゾーンを絞らせないようにして打ち取りますが、打者がベース寄りに構えインコースを狭められると、インコースを使えなくなってしまいます。
 赤星選手のツーシームはかなり右打者のインに食い込むため、インに構えられると死球のリスクが高まりインコースに投げにくくなります。駒大戦でこの戦法を用いられ、外待ちで攻め手がなくなっていました。赤星選手の場合変化しすぎているため、現在のツーシームは対左の外を意識させる球として活用し、大竹選手のシュートのように変化する球の習得が求められます。