読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

チームトップの奪三振力 仙台育英 松田 隆之介選手 高卒右腕投手

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守っては先発・松田 隆之介、渋谷翔、吉野 蓮と繋いで神戸国際大附打線を5点に封じ込めて勝負あり。13対5で仙台育英神戸国際大附を下した。  これで控え投手なのかと思うようなゲームメイクを仙台育英・松田 隆之介は見せてくれた。6回投げて1失点と初の全国の舞台で堂々たる内容だった。  ストレートは最速142キロを計測し、120キロ前後で落ちるスライダーに、タイミングを外したチェンジアップの前に神戸国際大附のバッター陣が次々と空振り。そこに混ぜてくる110キロ前後のカーブで間を変えるなど6回で打者23人に対して奪三振8つと完投すれば2桁奪三振も十分に狙えた。  そして球数も93球と少ない。打者1人辺り4球程度で、1回に費やす球数も15、16球のみ。テンポ良く守り、攻撃にリズムをもたらしたと言ってもいいのではないだろうか。そんな松田について、指揮官の須江監督に試合後に話を聞いた。  「松田は練習試合でも調子が良かったですし、この大会で優勝するためには伊藤や古川だけではなく、松田をはじめとした投手で勝つことが必要だと思っていました。今日は良ければ2巡目まで投げて欲しいと思っていましたが、十分な働きをしてくれました」  伊藤、古川となる仙台育英の投手陣の柱と言っていい活躍だが、他の投手と比較して松田の先発抜擢には、ある能力と確率がチームトップクラスだという。  「ボールのキレが良いですね。球速表示以上のものがありますし、あとは大荒れすることなく試合を作れる。ゲームメイクの部分では松田にしかない武器だと思います」  仙台育英の投手陣はストライク率がベンチ入りの基準の一つとされており、最低ラインを55%に設定している。この試合の松田は球数93球に対してストライクは46球で、ストライク率49.7%であったが、昨秋までに関してはその数値がずば抜けていた。  「松田は秋の時点で練習試合を含めても70%と高い数字で周りの投手と比べてもダントツです。一冬超えてスピードアップしたことで、一時期悪くなりかけましたが、本人の中で落としどころを見つけて、この大会ではしっかりと持ち味を発揮してくれました」  松田本人も「持ち味は制球力なので、そこを意識しながらいかに出力を出すことだと思っています」と語っており、ブルペンでは常に実践を意識してコントロールを磨いてきたそうだ。その制球力がどれだけ優れているのか、その証拠にこの試合の四死球を見てみたい。  数字にすると一目瞭然だ。松田は6回投げて与四死球2つのみ。一方で神戸国際大附は6回までに4人の投手で8つとなっている。神戸国際大附はエース・阪上 翔也のコンディションが整わず、控え投手で繋ぐ形となったが、エース以外の投手で試合のリズムを作れるか否かが1つの勝敗のポイントとなったのではないだろうか。  仙台育英はベスト4をかけて達 孝太擁する天理と対戦することとなった。大投手相手にどういった試合を今度は見せるのか注目だ。

世代屈指右腕を上回るストライク率を誇る松田隆之介(仙台育英)(高校野球ドットコム) - Yahoo!ニュース

 

 

【松田選手の紹介】

 

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178センチ77キロ 右投げ右打ち

変化球:スライダー・カーブ・チェンジアップ

 

 ノーワインドアップから足を上げた後に腕を振りかぶりながら右足の重心を落とし、上半身を戻す反動も合わせた勢いで振り下ろすフォームから最速144キロ、常時130中盤のストレートを投げ込む右腕投手。

 非常に伸びがあるストレートを主体に120キロ前後の縦のスライダーに100キロ台のカーブ、さらに左打者から逃げていくようなチェンジアップで空振りを奪っていきます。

 全国屈指の投手王国となった仙台育英の先発投手の一人。以前はもう少し高めの重心で上半身の捻りを抑え気味でしたが、上半身の捻りを効かせるようになりストレートの伸びが向上。チーム内でも特に高い奪三振能力を誇るようになり、これまで控え投手であったため実績面が少なく、これからさらなる活躍が期待されます。

 

【指名への課題】

 クイックになると上半身の捻りを抑え気味になるため、その分腕の振りが強くなります。その結果指に引っかかりやすくなり右打者へのストレートがインハイに抜け気味に、また縦の変化球の精度も落ち込みます。これだけならまだ精度は半々のため大崩れはしませんが、ピンチになると抑えようという気持ちがフォームにも出てしまい、明らかに力んだフォームで制球ができなくなっています。叩きつけるような荒い腕の振りになっていた場面もあり、変化球は縦のものが多く甘いコースに入ると長打にされるものが多いため、ピンチでコントロールが乱れると計算できません。

  また右にはスライダーやカーブがあるのに対し、左に対してのチェンジアップはまだ精度が悪く抜け気味です。そのためストレートの割合が多く、カウントを稼ぐにもストレートを使わざるをえないため、球速が遅めの抑え目のストレートを投げる場面も多く、対左が並べられると攻めのパターンが少ないのも課題となります。

 

【指名順位予想】

 球速は140を超えることもありますが、基本的には130中盤が多く、高卒右腕として物足りなさがあります。ストレートの伸びは目を見張るものがありますが、クイックになるとストレートも球速相応のものとなってしまい、全体的に物足りなさが出てしまいます。また実績面でもチームが投手豊富であるがゆえに短いイニングでの登板が多く、フォームのバランスが非常に重要となるため、長いイニングを投げて体力が落ちてきた状態でもいい投球を保てるかのアピールも足りていません。

 肉体的なアドバンテージはあまりないため、安定感を今後どれだけ伸ばしてアピールが出来るかが指名への鍵となります。現状では6~8位の下位指名候補となります。ストレートが魅力の投手であるため、コントロールを維持しながら最速150キロを記録できるようになれば4~6位の指名順位も見えてきます。