<首都大学野球:桜美林大3-1東海大>◇優勝決定戦1回戦◇29日◇サーティーフォー相模原
桜美林大が、16年秋以来2度目の優勝へ前進した。東海大には17年春から11連敗を喫していたが、接戦を制して白星を挙げた。津野裕幸監督(50)は「先発の多間が1失点で抑えてくれたのが大きかった」と振り返った。この日は桜美林大の創立記念日で、100周年の節目を勝利で飾った。応援に駆けつけた関係者も多く「OBも喜んでくれたと思います」と話した。
先発の多間(たま)隼介投手(4年=北海)が、東海大打線を打たせて取り、流れをつくった。7回1/3を被安打6の1失点。直球とスライダーを軸に、14個のフライアウトを奪った。負けたら終わりのプレッシャーがかかる1戦で、見事に責任を果たした。持ち味のスライダーを普段よりも腕を振る意識で曲がり幅を小さくし、芯に当てさせなかった。「直球が浮いていたので、スライダー勝負でいこうと思っていた。今日は(自己採点は)70点くらいですが、結果としては良かった」と笑顔だった。
優勝決定戦の決勝は30日に行われ、帝京大と対戦する。佐々木千隼投手(現ロッテ)を擁して東海大に勝利した16年秋以来の優勝へ、連投になる可能性もあるが「全然、いけます」と力強く話した。
【多間選手の紹介】
167センチ68キロ 左投げ左打ち
変化球:スライダー・チェンジアップ
セットから打者から見えないよう背中側に腕を構え、そこからテイクバックの小さい振りのフォームから最速136キロ、常時130前後のストレートを投げ込む左腕投手。130前後ながらも鋭く食い込むストレートに小さく変化するスライダーとのコンビネーションで打ちとっていきます。
3年までは主に中継ぎの起用だったものの、4年になり先発に転向。さらにコントロールをよくするためにフォーム改造に着手し、右腕の使い方を変えたことで体の開きがなくなりコントロールが向上。さらに1年先輩の松葉行人選手(現七十七銀行)の影響でキャッチボールを用いてのフォーム固めにも取り組み、4年春には6試合に登板に5勝1敗防御率0.91と好成績を残し、桜美大を優勝に導きました。
小柄ながらも独特なフォームで捉えさせない技巧派として今後が注目されます。
【指名への課題】
ペース配分をしている序盤は130前後、後半ペースを考える必要がなくなった回では130前半から135を記録しているため、中継ぎとして起用するなら130~135が平均球速となります。ただその球速のときは目に見えてストレートが高めに抜けるようになっているため、制球重視になると130前後となるのは左腕で変則型といえど、さすがに球威が足りません。
変化球自体もストレートと見分けがつきにくいスライダーがあるといっても、流石に引き出しが少なすぎて、しっかり当てられていますが、打者のノーパワーに助けられている場面が多く見受けられます。
球速も高校時代からあまり伸びていない点も伸びしろの評価が低くなります。
【指名順位予想】
首都大学リーグは投高打低のリーグであるため、6月7日からの全国大会でどのような結果を残せるかが現時点での能力を測るポイントとなります。そこでスライダーが通用すれば、中継ぎとして使える武器があると判断され、育成3~5位の課題はあるものの特筆すべき武器があり、その後の成長にかけてみようというポジションでの獲得となりますが、全国大会で炎上すれば指名漏れとなります。