読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

大江2世と評される小柄な左腕  二松学舎大付 秋山 正雲選手 高卒左腕投手

 

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高校野球東東京大会:二松学舎大付3-0東京成徳大高>◇17日◇3回戦◇駒沢球場

第2シードの二松学舎大付は、今秋ドラフト候補に挙がる最速146キロ左腕、秋山正雲投手(3年)の3安打完封で初戦を突破した。

ピンチでギアを上げた。2-0の7回1死満塁、秋山は「スコアリングポジションにランナー。気持ちを上げようと思いました」。と、相手の6番打者をネット裏のスカウトのガンでこの日最速となる141キロで空振り三振。「シャー!」と叫んだ。次打者にも140キロ台を連発。最後は高め140キロで空を切らせた。

打線に初戦の硬さもあったか、なかなか援護がなかった。初回1死満塁、4回1死二、三塁と好機は続くが、1本が出ない。それでも「いつか点を取ってくれると、野手を信じました」と動じなかった。序盤はボール先行が目立ったが、ほぼ真っすぐ1本で向かった。相手が真っすぐを狙ってくることを想定し、あえて、その球で勝負。2巡目から変化球を増やすことで、的を絞らせなかった。すると5回、先頭で自ら左前打を放ち、チャンスメーク。2死満塁から、4番関遼輔主将(3年)の先制2点適時打が飛び出した。結局、9回118球を投げきり、散発3安打完封勝利。三振は2ケタ10個を奪った。

巨人榑松スカウト統括は「真っすぐは力があり、右打者の内への角度がいい。タイプ的にも“大江2世”ですね」と、二松学舎大付出身で同じ左腕の巨人大江になぞらえた。先輩になぞらえられることに、秋山は「うれしいです」と素直に喜んでいた。

二松学舎大付・秋山正雲3安打完封“大江2世”巨人スカウト評価/東東京 - 高校野球夏の地方大会 : 日刊スポーツ

 

 

 

 【秋山選手の紹介】


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171センチ77キロ 左投げ左打ち

変化球:スライダー・カーブ・チェンジアップ

 

 セットから大きく足を上げスリークォーターよりも高い角度から振り下ろすフォームから最速146キロ、常時130後半のストレートを投げ込む左腕投手。左右問わず内外に投げ分ける力のあるストレートを中心に、110キロ台の大きく弧を描くスライダー、さらに大きく弧を描くブレーキの利いたカーブ。そして少しずつ沈んでいくチェンジアップを駆使して打ち取っていきます。

 チームでは2年生から先発としてフル回転しており、2年・3年と複数の試合で完投勝利を遂げており、東京成徳戦ではついに完封勝利を遂げています。スカウトからもストレートを高く評価されており、OBで同じ小柄な左腕だった大江選手(16年巨人5位)のようなストレートを持つことから、大江2世と評されています。

 

【指名への課題】

 大江2世と評されますが、大江選手は左右に使える変化量の大きいスライダーがあり、インコースへのクロスファイアとのコンビネーションで左右を苦にせずうちとっていました。

 しかし秋山選手は変化球の精度が悪く、カーブはほとんどがすっぽ抜けており、スライダーも決まらない時のほうが多くなっています。変化球はスカウトの目にとまるほど評価されておらず、多くがストレートを評価しています。

 そのストレートも身長がないうえ高めに抜ける割合が大きいため、力はありますがなかなか空振りを奪えません。ストレート頼りで空振り三振になかなか結び付かないことが球数の多さに繋がっています。

 

 

【指名順位予想】

 素材として飛び出たタイプでなく、ストレートは魅力であるものの変化球がないため評価するポイントが少なくなっています。今年は高卒豊作の年で左腕候補も多いため、そのなかで変化球でストライクが取れない秋山選手は指名漏れの可能性が高くなっています。育成指名を受けるにしても変化球が一つは使えるものがなければ厳しいため、育成指名の可能性も低くなっています。