<高校野球福岡大会:筑陽学園3ー0福岡大大濠>◇23日◇準々決勝◇久留米市野球場
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左肩痛を克服した元エース藤田が、悔しさをバネに「高校初完封&自己最多13奪三振」で4強入りに貢献した。今大会での2度のロングリリーフを経て、優勝候補との準決勝の大一番で初先発。「相手は素晴らしい打線で気を抜いたら打たれるので、引き締めてスキを作らないようにした。毛利投手はすばらしい投手なので、負けたくなかった」と、闘志むき出しで立ち向かった。
1回から、この日最速140キロ直球に決め球のスライダー、チェンジアップを交えて福岡大大濠打線を翻弄(ほんろう)。2回1死からの5者連続を含む自己最多13三振を奪った。9回1死三塁から奪った13個目に「お互いきつい中、外の真っすぐで三振を取れたことが今日一番良かった」と声を弾ませた。
悔しさを糧にした。本来は昨秋からエースだった。だが3月の練習試合のブルペンで左肩を痛め、3週間入院した。1カ月はボールを握ることもできず、キャッチボールを再開したのは5月に入ってからだった。
それでも入院中に理学療法士から、投げる時の下半身から上半身へのパワーの伝え方などを指導され、重心移動に役立てた。
春の実績がなく、夏は背番号11。しかし「離脱してチームに迷惑をかけた。チームで甲子園に行くことを目指している。一昨年は初戦負けだったので、先輩の借りを返し、1勝したい」と燃えている。頼もしい左腕が、チームに戻ってきた。
【藤田選手の紹介】
176センチ77キロ 左投げ左打ち
変化球:スライダー・チェンジアップ
セットから軸足の重心を大きく落とし、低い位置からスリークォーターよりも低い角度で投げ込むフォームから最速142キロ、常時130後半のストレートを投げ込む左腕投手。鋭く投げ込まれるストレートを中心に、横のスライダーと小さく落ちるチェンジアップで打ちとっていきます。
春に肩を故障しエース背番号をはく奪。しかし5月に復帰すると福岡大大濠戦ではドラフト候補の毛利海大選手と投げ合い、13K完封勝利を遂げています。右打者へのクロスファイアが魅力の横手投げ左腕として飛躍が期待されます。
【指名への課題】
球数が増えてくるとスタミナが切れてくることで球を握り切れずリリースポイントが高くなってしまい、右打者のインこースに投げ込めなくなっています。また変化球も変化しきれずアウトコース高めに抜けるため、しっかりと踏み込まれライト方向に運ばれます。
なんとか低めに投げれても変化球が変化しきれないため左打者にも合わせられてしまい、ストレート・変化球ともに打ち損じを待つしかない状況となります。緩い球がないため変化球が変化しきれなくなると、タイミングを合わせやすく打ちとれません。
【指名順位予想】
先発としては変化球の少なさとスタミナ不足。中継ぎとしては対右よりも対左のほうが投げにくいフォームのため、対左用にスライダーの精度アップが求められます。課題が多く変化球が評価できるほどのものがないため、指名漏れの可能性が高くなっています。