巨人から育成5位指名を受けた創成館・鴨打瑛二投手が29日、長崎・諫早市内のホテルで仮契約を結んだ。
何より目を引くのが身長195センチの大きな体格。「これからやっと始まるなという感じがあります。まずは支配下に入れるように頑張って、将来は先発投手として活躍できたら」と意気込んだ。
目標にしている投手にはソフトバンクの和田毅を挙げ、同じ左投げとして「投球フォームを参考にしています」と話した。「身長を生かした、緩急を使える投球が持ち味」という大型左腕がプロの世界へと飛び込む。
【 鴨打選手の紹介】
195センチ95キロ 左投げ左打ち
変化球:スライダー・カーブ・チェンジアップ
ワインドアップからスリークォーターよりも高い角度で力みなく投げ込むフォームから最速138キロ、常時130前後のストレートを投げ込む左腕投手。110キロ台の緩いスライダーに100キロ台の非常にブレーキの効いたカーブを中心に投げ込んでいきます。
チームでは主に先発で起用。大崎戦では8回3失点と好投しましたが後続が打たれ敗戦。まだ安定感には欠けるものの、195センチで長い腕から投げ下ろす好素材は監督からも18年阪神5位入団の川原陸選手以上と評されています。
【なぜ獲得されたのか】
前年の阿部選手に続く、素材を評価しての獲得。阿部選手に比べると変化球はしっかり投げられていますが、まだフォームの安定感や体の細さが課題となっています。
しかし長身左腕の割にはあまりフォームに癖はなく、変化球もある程度制球出来ているため、体がしっかりできてフォームに安定感が生まれてくれば球速も上がり戦力になると判断されての獲得となります。
また巨人は20年からの3年間のドラフトを発掘と育成の年としており、この3年は育成選手を大量に獲得する方針にしています。そのため1年目からある程度投げられる選手ばかり獲得してしまうと登板機会を与える余裕がなく、元々3軍は技術的な課題から練習量を多くする必要がある選手や体づくりを目的とした選手が多いことから、試合数を意図的に少なくしているため、育成で数多く獲得しながらも登板機会を調整するためには、体づくりをメインに登板機会はまだ必要がない選手も獲得する必要があります。
そのため体づくりに時間がかかる選手として獲得されています。
【1軍起用への課題】
長身左腕共通の課題として、上半身を大きく前方に倒し投げ込むため、フォーム・リリースの安定感のために求められる下半身の強さが通常の投手よりも大きく、まだ体がしっかりできていない現状ではリリースポイントを安定させるために、振り下ろす瞬間にフォームの勢いを落とさざるを得ない状態となっています。このため折角の長身を活かせておらず、あまり球威もないストレートとなっています。
これは20年育成6位・阿部剣選手も共通であり、フォームを一度緩めるため腕の振りも安定せず、変化球の精度が落ちています。190センチ以上の高卒左腕が1軍に定着できた例は非常に少なく、高卒でも特に素材型ということもあり大卒1年目となる4年目までに2軍に定着できるかが鍵となります。