<プロ野球ドラフト会議>◇11日
巨人育成10位北海・大津綾也捕手はエース木村大成とバッテリーそろっての指名となった。母子2人家族で「ここまで18年間育ててもらった母に感謝したい。しっかり稼げるようになって親孝行したい」と意気込んだ。巨人には北海OBの鍵谷、せたな北檜山中時代に何度も対戦した北斗市出身の2メートル左腕阿部が在籍。育成1位でOB鈴木も指名を受け「早く鍵谷さんのボールを受けられるようになりたい。鈴木さん、阿部さんら知っている人がいるのも心強い」と話した。
【大津選手の紹介】
174センチ70キロ 右投げ右打ち
ポジション:キャッチャー
遠投115m、スローイングを高く評価される右打ち捕手。入学時は内野手として起用されていましたが、1年秋に捕手に転向。しかし2年時に再び内野手に戻り、その後再度捕手に転向しています。
このため捕手としての経験が少ないながらも、スカウトからは肩の強さとスローイングの低さを高く評価されており、フットワークの良さも評価ポイントの一つとなっています。
打者としては2・3番で本塁打こそ少ないものの繋ぐ打者として通算4割の成績を残しており、巧打の強肩捕手として期待されます。
【なぜ獲得されたのか】
育成3位の東海大・亀田選手は捕手経験も多くすぐに試合起用ができるタイプ。1軍が小林・大城・岸田、2軍が喜多・山瀬、3軍が前田・萩原・坂本選手で起用されていますが、山瀬選手は課題の打撃がなかなか伸びず、萩原選手は同期の喜多選手よりも起用数が少なく不安が残る立場。また捕手が1人故障すると3軍まである巨人は運用がぎりぎりとなるため、大卒の亀田選手を獲得しました。
一方で大津選手はまだ捕手経験が浅く、ブロッキングに課題を持つ技術的にも未熟な面が目立つ選手。そのため実践機会より練習が必要な立場であり、ファームの捕手起用を圧迫する心配はありません。
しかし小林・大城選手に次ぐ1軍捕手がなかなか出てこず、岸田選手もアマチュア時代の捕手経験は4年と浅く、まだブロッキングに課題をもつため組ませる投手が限られてしまうことから、さらなる戦力台頭を求めての獲得となっています。
【1軍起用への課題】
課題はブロッキング能力の低さ。落差の大きい変化球やフォーク系の落ちる球を低めに投げられると、球威を殺して前に落とすことが出来ず大きく弾いてしまう場面が目立ちました。
そのせいでランナーが出ると木村投手に対しストライクゾーンに構えるシーンが多くなり、落差のあるスライダーが武器である木村投手は高めストレートを狙い打ちにされていました。
また打撃についてもまだ硬さがあり、特にストレートに対しては詰まらされる場面が目立ちます。打撃も守備も課題を持つものの、強肩とスローイング、さらに経験の少なさから今後さらに伸びしろがあると期待されての獲得となっています。