「関西六大学野球、大商大10-0大院大」(2日、わかさスタジアム京都)
大商大は大院大に大勝。3年生右腕が華々しいデビューを飾った。
初回、1番・修行恵大内野手(3年・大垣日大)が、初球をいきなりたたく右前打をきっかけに2死満塁の好機を作ると、6番・家田陸翔内野手(3年・近江)の走者一掃右越え適時三塁打で3点を先制した。
四回にも碓井雅也捕手(3年・天理)の中堅フェンス直撃の二塁適時打などで3点を追加。八、九回にも追加点と、攻めの姿勢を終始崩さない大商大の強さを示した。
投げては、前田竣也投手(3年・天理)が六回からリーグ戦初登板を果たし、4回無失点7奪三振の好投を見せた。この日146キロと自己最速を更新。「緊張した。野手が点を取ってくれたおかげでいい投球ができた」と胸をなで下ろした。
「前田が出てきてくれたことが大きい」と富山陽一監督も右腕のデビューに笑顔。同級生の伊原陵人投手(3年・智弁学園)が主戦として活躍する中「負けたくない相手。追いつくきっかけにしたい」とライバル心を燃やし、ここからの飛躍を誓った。
【前田選手の紹介】
182センチ80キロ 右投げ右打ち
変化球:スライダー・カーブ・フォーク
セットからスリークォーターよりも高い角度から投げる癖のないフォームから最速146キロ、常時130後半のストレートを投げ込む右腕投手。120キロ中盤の縦のスライダーに120キロ後半の打者の手元で落ちるフォークで空振りを奪います。
武器はコントロール良く投げられる2種の変化球。縦のスライダーをコースに投げ込みカウントを整えられるだけでなく、カーブのように使い空振りも奪っています。さらにスライダーを狙ったスイングに対し。少し弧を描いて落ちるフォークで三振を奪います。
チームでは主に先発で起用。3年で公式戦デビューを果たすと、最速146キロを記録し4回無失点。まだ4年春までで6試合の登板に留まっており、今後の活躍が期待される右腕となります。
【指名への課題】
課題は出力不足。癖のないフォームで常時130後半と大卒右腕としては物足りなさが残り、特にクイックになると球の遅さが目立ちます。フォークもゆっくり落ちるためクイックになるとフォークはほぼ見切られてしまっています。そうなるとストレートとスライダーに二択しかありませんが、ストレートも球威がさらに落ちるため、スタミナが切れてスライダーが浮いてくると抑えることができなくなります。
現在6試合の登板のみ。それも最長が5イニングであるため、球速アップと変化球の幅が広げられなければ先発としては計算できません。
【指名順位予想】
130後半で変則でもなく、変化球の幅も少ないとなるとスカウトの目には留まりにくく、実績が非常に少ないことからスタミナや投球術といった技術面でも未知数な部分が多いため、ある程度完成した姿が求められる大卒では物足りなさが残っています。
先発として計算するためにはスタミナが未知数であること、中継ぎとして見るにはクイックで出力が大きく落ちる点が課題となるため、育成指名としてみても、起用の見通しが立ちにくく、大卒であるため指名のハードルが高くなっています。
投球内容についても上記の課題を考慮しても魅力的に映るようなストレートのキレ、大きな武器となる変化球はないため、指名漏れの可能性が高くなっています。