読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

現役ドラフトは戦力外・ドラフト戦略にどのような影響を及ぼすのか

プロ野球選手会は26日、オンラインで臨時大会を開き、日本野球機構NPB)と事務折衝を続けている「現役ドラフト」について、今オフの開催を目指すことを決議した。

NPB側から提示されている案では、各球団2人以上の対象選手を選び、必ず誰かが出て、誰かが入る制度のため、全球団で選手の入れ替えが起きる。

 森忠仁事務局長は「細部は、もう少し話し合わないといけないが、進展は必要で、進めていくということで選手の了解を得た」と話した。今後もNPBと事務折衝を続けるが、今オフの導入へ、また1歩、近づいた。

 臨時大会では、保留制度改革についても多くの議論がなされた。FA制度については、国内外一律6シーズンでの取得、補償制度の撤廃、登録日数カウント方法の追加を求めることを決議した。

選手会総会 「現役ドラフト」今オフの開催目指すと決議、NPB案では全球団で選手の入れ替え(日刊スポーツ) - Yahoo!ニュース

 

【2022年に現役ドラフト開始の方向で調整】

 26日の会議で選手会とNPBが現役ドラフト・FAについて協議。現役ドラフトの開催時期は2022年オフ開催の方向で調整。ルールについては各球団から最低2名を選出。さらに各球団最低1名は獲得する必要があるようになります。

 この現役ドラフトは飼い殺し・環境を変えることによる成長の可能性をあげるための制度となりますが、一方で任意の選手を2名のため、戦力外候補の選手を出されるだけで何も変わらないといった声もあります。

 この現役ドラフトは戦力外やドラフト戦略にどのような影響を及ぼすのでしょうか

 

【鍵は現役ドラフトの開催時期】

 現役ドラフトは12球団が12月上旬開催を希望し、選手会側は12月下旬の開催を希望しています。どちらにせよ開催時期は12月で調整されており、これは12月に戦力外期間が終了し、保留者名簿が各球団から提出されるため、その中から2名を選ぶというルールに基づいて決定されています。

 一方で通常のドラフトは10月、戦力外はシーズン終了後2週間以内のため、どちらも12月には終了していることになります。鍵となるのはこの時期のずれとなります。

 

 現役ドラフトでは最低2名以上を選出し、一方で最低1名を他球団から指名する必要があります。ここで注目すべきは選出は2名以上に対し、指名は1名以上であること。このため指名候補は最低24名となりますが、実際に指名されるのは最低12名。そのため指名されずに元々の球団に残る選手が出てきます。

【戦力外候補を選出する問題点】

 現役ドラフト対策として戦力外候補の選手を残し現役ドラフトに選出したものの指名されずに残った場合、すでに戦力外期間は終了しているため、その球団は指名されなかった選手をもう1年契約する必要があります。

 戦力外候補のため年俸面でのリスクはあまりないものの、大きなリスクとなるのが支配下枠。現役ドラフトは育成選手は対象外で進んでいるため、支配下選手のみが対象です。そのため元の球団に残った場合、支配下枠を圧迫してしまうリスクがあります。

 

 通常ドラフトは終わっているため指名数の調整は出来ず、すでに戦力外が終わっているいる以上その分支配下枠を空けるには外国人の獲得数を減らすか、トレードに踏み切るしかありません。しかしトレードは金銭か代わりの選手をトレードに出す必要があるため、現役ドラフトで獲得されなかった選手をトレードで獲得するメリットはありません。そのためより上のランクの選手を出さなければならず、戦力外候補を残すために若手や1.5軍の選手を出さなければならないといった、本末転倒な結果に繋がりかねません。

【現役ドラフト候補となる選手とは】

 現役ドラフトは通常ドラフト・戦力外後に行われる以上、現役ドラフトで支配下数を調整するといった戦略は不確実であり、育成から支配下への昇格や外国人獲得に影響を及ぼしかねません。そのため戦力外候補の選手は戦力外に、現役ドラフト候補の選手はその候補とは別に選出する必要があります。

 そこで現役ドラフトに選出される選手は「1~2年後の戦力外候補となります。具体的には年間1軍登板試合数が10~20試合で防御率が4~5点台のワンポイント中継ぎ投手。高卒6~7年目、大卒4~5年目で1軍出場がほとんどない選手といった、来年も結果が変わらないなら人員整理の対象となるような選手です。

【シーズン中の開催とどちらが良いのか】

 開催を望む声の中には、シーズン中に開催すべきといった声もあります。しかしシーズン中に開催する場合、現役ドラフト後に通常ドラフト・戦力外となるため、現役ドラフトの結果をもって戦力外を行うことが出来ます。そのため戦力外候補を現役ドラフトに出し、残った場合そのまま戦力外といった方法が取れるため、シーズン中に行うほうが懸念されている戦力外候補の悪用に繋がりかねません。

 

【まとめ】

NPB側から提示されている案では、各球団2人以上の対象選手を選び、必ず誰かが出て、誰かが入る制度のため、全球団で選手の入れ替えが起きる。

選手会総会 「現役ドラフト」今オフの開催目指すと決議、NPB案では全球団で選手の入れ替え(日刊スポーツ) - Yahoo!ニュース

 

 現状出ている情報では各球団が最低2名選出し最低1名獲得するといったルールですがこのような文言があるため、指名がされていない球団から獲得しなければならないなどのルールがある可能性があります。

 しかし開催時期もあり現役ドラフトは戦力外やドラフトには大きな影響は及ぼしません。今後さらなる情報が出れば条件が変わるため、注視していく必要があります。