読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

肩回りの柔らかさが魅力のオーバースロー右腕 報徳学園 盛田 智矢選手 高卒右腕投手

◆第95回センバツ高校野球大会第6日 ▽2回戦 報徳学園7ー2健大高崎(24日・甲子園)

 報徳学園(兵庫)は健大高崎(群馬)を下し、2回戦を突破。センバツでは6年ぶりに白星を挙げた。

 先発マウンドを託されたエース・盛田智矢(3年)は初回に先取点を献上するも、8回121球を投げて、6安打2失点5奪三振の好投。「初戦を大事にしてきましたので、しっかり勝てたということがとても大きいと思います。最初飛ばしすぎてしまったんだけれども、ただ疲れてからも粘ることが出来ました」と振り返った。

 4点リードの7回は無死一、三塁から代打・団之原に右犠飛を浴びたが、なおも2死一、二塁のピンチで2番・森田を左飛に打ち取り、最少失点に抑えた。「野手が点を取ってくれて、点差が開いてから余裕が出てきました。後ろにもいいピッチャーが控えていてくれるということで安心して投げられました」とチームメートに感謝した。

 大角健二監督は試合後、「彼のピッチングではまだまだないとは思うんですけど、初戦の硬さもあったのか、ただ試合をしっかりまとめてくれたと思います。イニングによって球の球威とかが違いましたので、メンタル的な部分だと思うんですけど、2戦目以降は彼らしいピッチングをしてくれると思います」と話し、エースにさらなる期待を寄せた。

【センバツ】報徳学園エース・盛田智矢が8回121球2失点の好投「しっかり勝てたということがとても大きい」 : スポーツ報知

 

【盛田選手の紹介】


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187センチ81キロ 右投げ右打ち

変化球:スライダー・カーブ・ナックル

 

 セットから右肩を大きく使いオーバースローの角度から振り下ろすフォームから最速141キロ、常時130後半のストレートを投げ込む右腕投手。120キロ台の小さく変化するスライダー、100キロ台のカーブ、120キロ台のナックルを投げ込んでいきます。

 武器は130キロ台ながら高い空振り率を誇るストレートと変化量の多いカーブのコンビネーション。ストレートを中心に高めに弧を描くカーブで見逃しを奪い、縦に動くナックルやスライダーも交え空振りで仕留めます。

 チームでは主に先発で起用。選抜では4試合に登板し内2試合で先発として起用。2年の冬に下半身強化に取り組み体重も増加。安定性が向上し下半身をしっかり使って投げられるようになったことで球威が増し、スカウトからもストレートとカーブが高く評価されるようになりました。

 変化球と体の柔らかさが評価される投手としてさらなる成長が期待されます。

 

【指名への課題】

 3年生になってから調子を取り戻せておらず、選抜では指に引っ掛かり抜けてしまう球が多くなっています。特に武器であるストレートの抜け玉が目立ち、もともとのフォークが動きが多くクイックになるとリリースの再現性が低くなり高め・低め両方で多くのストレートが抜けてしまっています。

 選抜では13イニングで9四死球とカウントを悪くしてランナーを溜めてから失点してしまう展開も多く、バッテリーの堀選手のブロッキングに助けられていますが、決め球の一つであるナックルも大きくバウンドするためランナーがいる場面では使いづらく、スカウトからもストレートの球威アップが求められているため、持ち球のレベルアップが課題となります。

 

 

【指名順位予想】

 春は調子が上がらずベンチ外にもなっているため、夏でどれだけアピールできるかがカギとなります。スライダーがフォークのように落とせますが精度のばらつきが目立つため、今後はストレートを常時140前半まで伸ばせるか、そして打者のタイミングを外せるカーブのコントロールと決め球としてのスライダーの精度向上が求められます。

 角度と球威で押し込むタイプであるため、カウントを整えられる変化球がないと現状の四死球の多さは改善されないことから、春のままであるなら指名漏れ。上記課題をすべてクリアできた場合は5~6位の素材型評価となります。ただ報徳から直接ドラフト指名される例は少なく、盛田選手も素材型で現状アピールできていないため、大学・社会人に進む可能性もあります。