<全国高校野球選手権:九州学院4-0国学院栃木>◇16日◇3回戦◇甲子園
エース番号を背負った国学院栃木の2年生エース盛永智也投手にとっては、課題を突きつけられた登板となった。4番手としてマウンドに上がり5安打3失点。
試合後は相手九州学院の直江新投手(2年)と自身を重ねて「同じ学年なのに、直江君はあれだけのピッチングができて素晴らしいと思いました。自分も来年は甲子園で全試合に投げられるようにしたいです。監督さんにさきほど言われましたが、もっと体を強くしないといけないと感じました」と、終始反省の言葉が口を突いた。
また、データ班の情報を参考に、ヤクルト村上の弟・慶太内野手(3年)と対戦したと明かし「村上さんはデータ班の情報通りで、本当に腕が長くて低めにもついてきた。甘くならないようにと思って投げました」と言った。
国学院栃木・柄目監督(九州学院・直江投手の投球に)「データは万全にとってましたが、データに出ない部分、例えば球威、キレ、気持ちのこもった球など、データ以上のものがあった。直江君のピッチングを褒めるべきだと感じます」
【甲子園】国学院栃木・盛永智也、九州学院の村上慶太は「本当に腕が長くて低めについてきた」 - 高校野球夏の甲子園 : 日刊スポーツ
【盛永選手の紹介】
180センチ80キロ 右投げ右打ち
変化球:スライダー・カーブ・ツーシーム
ノーワインドアップかタメを作らず、オーバースローの角度から力強い腕の振りで投げ抜くフォームから最速144キロ、常時130後半のストレートを投げ込む右腕投手。120キロ台の横のスライダー、100キロ台のカーブ、130キロ前後のツーシームを投げ込んでいきます。
武器は投げ下ろすフォームから繰り出される力のあるストレートとフォークのように落ちるスライダー。主にこの2球種を中心としたパワーピッチングで押していきます。
チームでは主に先発として起用。中学生のころに最速144キロを記録し、U-18強化合宿にも選ばれている好素材となっています。しかし夏はあまり調子が上がらず地方予選では2試合に登板し11イニング7失点で防御率5.73。不本意な結果に終わっています。
【指名への課題】
課題はフォームの動き。腕を振るまでに打者から体の動きが見えてしまい開きが早いフォームをしており、腰の回転と腕の振りが連動していないため、腕の振りに頼ったフォームとなっています。
そのため球速があまり出ておらず、体の開きが早いためストレートは高めに抜けることが多くなっており、アウトコースに投げようとすると軸足が耐えられずファースト側に体が流れる癖もあるため、ストレートは基本的に構えたところに投げられていません。
またクイック時を作らず一気に投げ込むためフォームが安定しておらず、比較的ストライクゾーンに投げ込めるスライダー・カーブに比べ、ストレートはシュート回転し高めに抜けるためストライクが取れず、スライダー・カーブもばらついているため2ストライクまではとれますが、3ストライク目を取る球に苦労しています。
【指名順位予想】
スライダーとカーブのキレは素晴らしいものの、どの球種もコントロールにばらつきがあり、中学時代こそ144キロを出し注目されたものの、そこから伸び悩んでいます。
指にかかった時の角度のあるストレートは球速以上に重みがあるため、フォーム改造を行い落ちる球の精度アップとコントロール・球威の改善を行えればドラフト候補として注目されます。現状では伸び悩んでおり伸びしろが期待される高卒では大きなマイナス材料となるため、現状では指名漏れの可能性が高くなっています。