◆関西学生野球春季リーグ戦 ▽第5節3回戦 近大3―2関学大(30日・ほっともっとフィールド神戸)
近大が関学大との接戦を制して、2勝1敗とし、勝ち点を2に伸ばした。
初回1死二、三塁、2度の暴投で2点を先制。2回に追い付かれたが、5回は無死満塁で野間翔一郎左翼手(2年=大阪桐蔭)の左前適時打で勝ち越し、この1点を先発の寺沢孝多(4年=星稜)ら、5人の投手リレーで守り抜いた。
28日の1回戦は13安打11得点と大勝。しかし、29日の2回戦は10安打を放ちながら無得点で、この日も2得点は相手の失策だった。田中秀昌監督は「あと一本が全く出ない。中盤に野間が打ちましたけど、昨日と今日とタイムリー欠乏症」と話し、打線の組み替えも視野に入れた。
1番で1安打、4四球と全打席で出塁した坂下翔馬主将(4年=智弁学園)は「1番として良い仕事ができた」としつつ、後続が続かず「負けられない試合が続き、硬さもある。チャンスで回ってきたバッターも『やってやる』という気持ちは見えているんですけど、そこがうまくいかないのが今のチーム状況」と、厳しい表情を浮かべた。それでも何とか勝ち点を奪い、リーグ戦Vに望みをつなげ「3連敗から始まって、もうはい上がるしかない。1プレー1プレーを大事にという声かけをしていたので、この勝ち点につながったのかなと思う」と安どした。
【寺沢選手の紹介】
176センチ76キロ 左投げ左打ち
変化球:スライダー・カーブ・チェンジアップ
セットから肘を折り曲げたまま振りかぶり、背中から腕を出し力強く振り込むフォームから最速146キロ、常時130後半のストレートを投げ込む左腕投手。120キロ台のスライダー、110キロ台のカーブ、120キロ台のチェンジアップを投げ込んでいきます。
武器は見分けのつきにくいストレートと変化球のコンビネーション。腕の出所が見づらいフォームに加え似たような軌道で向かってくるストレートやスライダー・チェンジアップで芯に当てさせない打たせて取るバッティングで打ち取っていきます。
チームでは先発・中継ぎ両面で起用。貴重な左の変則左腕としてさらなる成長が期待されます。
【指名への課題】
課題は変化球でこれといった武器がないこと。変化球はどれも変化量が一定で大きな変化量があるタイプでないためボールゾーンにまで落ちる球では空振りが奪えておらず、一定の軌道で落ちることからポイントが予測しやすく、相手打者はボールゾーンの球はほとんど見逃しています。
そのためストライクゾーンに投げ込んで勝負するしかなく、少しでも甘くなるとしっかり痛打され、クイックになると球威が落ちるためさらに打ちやすくなり連打で崩れやすくなっています。
【指名順位予想】
今期は先発として起用されていますが先発として起用された試合ではコンスタントに失点しており、防御率は5点台と結果を残せていません。変則左腕ではあるものの変化球は平均的で球速も130中盤から後半と大卒左腕としては物足りないものとなっています。
素材型に評されるタイプでもないため、現状では指名漏れの可能性が高くなります。社会人でさらなる平均球速のアップとあと2種変化球を習得し、即戦力中継ぎになれれば貴重な左腕として指名候補となります。