読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

球速のギャップを感じさせるフォームと制球力が武器 近畿大 久保 玲司選手 大卒左腕投手

全日本大学野球選手権大会2回戦 亜細亜大学2-1近畿大学(8日、東京ドーム)

プロ野球阪神糸井嘉男選手や佐藤輝明選手らを輩出している近畿大学が2回戦に登場。今秋のドラフト候補、最速151キロ左腕の久保玲司投手(4年)が先発しました。

ストレート、スライダー、カーブ、チェンジアップを駆使し、テンポの良いピッチング。3回にはスライダーを低めに集め2者連続三振を奪います。

6回には盗塁と悪送球が重なり、2アウト3塁のピンチにも落ち着いた対応。ストレートでセカンドフライに打ち取り、ピンチをしのぎました。

久保投手は8回まで亜細亜大の打線をわずか2安打に抑える好投で無失点に抑えるピッチング。

しかし9回、2つの四球で、2アウト1、2塁と得点圏にランナーを背負います。ここで亜細亜大の代打・松浦隆己選手(3年)に初球を捉えられ、レフトへの2点タイムリー2ベースを浴び失点。久保投手はここで降板となりました。

その裏、近畿大学も1点を返しますが、反撃及ばず。チームは2ー1で敗れ、2回戦で姿を消しました。

久保投手は8回2/3を130球、被安打3、奪三振6、四死球3、失点2の内容でした。

ドラフト注目の近畿大学・久保玲司 8回まで被安打2の好投も9回に力尽きる 130球の熱投(日テレNEWS) - Yahoo!ニュース

 

【久保選手の紹介】


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172センチ67キロ 左投げ左打ち

変化球:スライダー・カーブ・チェンジ

 

 セットから肘を小さく折りたたんだ腕の構えでスリークォーターよりも高い角度から投げ込むフォームから最速151キロ、常時140前後のストレートを投げ込む左腕投手。120後半の大きく変化するスライダーに100キロ台のカーブ、130前後のまっすぐ落ちるチェンジアップを投げ込んでいきます。

 武器はテイクバックの小さな腕の振りから繰り出されるコントロールの良いストレート。平均130後半ながらフォームの動きの少なさもあり球速以上の速さを感じさせます。またどの変化球も変化量が大きくコントロールがよいため、ストライク先行で攻めることが出来ています。小さく変化するチェンジアップもストレートと同じ軌道で投げられるため、芯を外して打ちとれています。

 チームでは主に先発で起用。高校時代から抱えていた肘の痛みを治療するため1年生のころに肘の手術を受け、4年春は肩の不調で終盤に離脱するなど故障に悩まされますが、亜細亜大戦では8回途中2失点と好投。

 小柄ながら50m6.0の脚力、さらにデッドリフト210キロの身体能力を誇り、制球力と身体能力の高さを武器に投げ込む技巧派左腕として、さらなる活躍が期待されます。

 

【指名への課題】

 制球力の高さで土音変化球でも攻めていけますが、持ち球が少ない故に後半の投球はスタミナが切れて球が高くなると、投げられる球が限られるのが課題となります。

 特にスライダーの精度が落ち打者が降らなくなるため、左打者に投げる球に苦戦しています。右に対してはストレートを投げやすくチェンジアップをアウトコースに投げ込めるためある程度抑えられていますが、左に対して手のスライダーが甘く入りやすくなるため、ストレートの割合が増えています。このため2ストライクになるとフォームに力みが出てストレート・変化球共に精度が悪化しています。

 

 

【指名順位予想】

 まだ体つきも持ち球自体は少ないものの、ストレートも含めた4球種で亜細亜大を3被安打2失点におさめた結果は評価されるものであり、コントロールと持ち球の精度から即戦力候補としても期待されています。

 ただし高校時代常に悩まされた肘の故障や3年秋~4年春に抱えていた肩の故障といった、投手にとって生命線である部位の故障の多さから、故障の多さもマイナスポイントの一つ。また1位候補となるには3球種のみでは厳しく、球速も140前後では2~3位候補となります。

 プロではいきなり先発でなく中継ぎ起用で結果を残しつつ、1~2年後に先発候補として起用されていく流れとなります。