<全日本大学野球選手権>◇5日◇1回戦◇国際武道大9-1広島経済大◇東京ドーム
広島経済大は国際武道大に終始主導権を握られ、8回コールドで敗戦した。4大会連続で初戦敗退となった。
先発の倉本裕翔投手(4年=広島商)は初回こそ3人でテンポよく打ち取ったが、2回につかまり2失点。2回1/3を5失点で、試合を作れず降板した。
5回には山田京介外野手(4年=高知商)による右越えソロ本塁打が飛び出したが、打線は3安打と沈黙し、得点はこの1点に終わった。
倉本は不調ではなかったと振り返りつつも「スタンドで応援してくれている仲間たちを思うと、試合を作れず申し訳ない」と反省。入念な準備をした上で挑んだが、全国舞台で力不足を痛感した。それでも「(敗戦したが)チームが1つになって一体感を感じられた」と経験を糧にできるようにと前向きに語った。
堤裕次監督(36)は、「守備がかたかった。守備でリズムを作れなかった」と敗因に3失策を真っ先に挙げた。全国大会に出場してこそ、自分たちの現在地を知ることができる。「ここに連れてきてくれた4年生には感謝しないと」と選手たちをたたえ「投手力も含め、すべてにおいてレベルを上げていかないと」と誓った。
【全日本大学選手権】広島経済大、8回コールドで4大会連続初戦敗退 倉本裕翔5失点、打線沈黙 - アマ野球 : 日刊スポーツ
【倉本選手の紹介】
179センチ76キロ 右投げ右打ち
変化球:スライダー・チェンジアップ・フォーク
セットから腕を振りかぶりながら少し体を反らし、体を捻らず反らした反動で投げ込むフォームから常時120後半のストレートを投げ込む右腕投手。100キロ台のスライダー、120キロ台のチェンジアップ、120キロ台のフォークを投げ込んでいきます。
武器は打者の手元で大きく落ちるフォーク。打者の手前まではチェンジアップのようにゆっくりと落ちながら、手元で一気に膝元まで落ち打者の空振りを奪います。
チームでは主に先発で起用。4年春は6試合に登板。34(2/3)イニングを投げ防御率2点台と好投。4勝を挙げており、その中の2試合では完投を遂げています。技巧派右腕としてさらなる活躍が期待されます。
【指名への課題】
課題は左打者から引っ張られやすいこと。倉本選手の決め球はフォークであるものの、どちらかというとゾーン内の小さな変化球で勝負するストライクゾーン内に多く投げ込むタイプ。球速自体も120キロ台と速くないため、左打者は引っ張りの打撃を意識して攻略してきます。倉本選手の変化球も縦の変化が多いことからも引っ張られやすく、スライダー・チェンジが甘くなると強振され長打・本塁打を打たれ崩されています。
フォークのキレは素晴らしいのですがフォーム自体は見やすいため、やはり球速が伸びなければ対左の強打に対応されてしまうため、球速をどこまで伸ばせるかが鍵となります。
【指名順位予想】
今年は大卒投手が豊作のため、その中で大きくアピールできなければ指名漏れの可能性が高くなります。そのなかで倉本選手はどうしてもスケール面で物足りなさが残っており、技巧派としては多彩な変化球があるわけでなくコントロールはいいものの抜け球が見逃されず打たれているため、先発としては計算できません。
ランナーがでるとフォークを多投できず左打者に引っ張られることから、今後はカット系のインを詰まらせる球や外に逃げる球で引っ張るスイングを外すような投球が求められます。現状ではそれらの武器がないため指名漏れの可能性が高くなっています。