読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

球威のあるサイドスロー 白鴎大 山田 怜卓選手 大卒右腕投手

報知新聞社後援 第72回全日本大学野球選手権大会第4日▽準々決勝 白鴎大4―3鹿屋体大(8日・神宮)

 2回戦で完封勝利を収めた白鴎大が、山田怜卓投手(4年=八戸学院光星)の7回3安打、1失点の好投で4強入りを決めた。最速148キロのストレート中心の投球で、初出場の鹿屋体大打線を圧倒した。

 相手は高知工科大、近大を倒し勝ち進んできた勢いがあるだけに、山田は「自分の真っ直ぐなら打たれないという自信を持って向かうしかなかった」と語った。投球の組み立ては、相手打線のビデオを見て、真っ直ぐで攻めようと前日から決めていた。

 ストレート、変化球ともに調子が良く、被安打3、8奪三振だったが7回での降板となった。その後登板した松永大輝(2年=東海大菅生)は2回戦で完封していたため、試合前「今日は投げさせんから」と話をしていたが、「あとは頼む」と託した。

 後輩がアドバイスを求めると、覚えるまで付きっきりで教えるという面倒見の良い山田。松永のことも「かわいい後輩だが、お互いが意識し合って切磋琢磨(せっさたくま)できる関係」と語り、7回1失点の好投も、試合後は「(前回の松永同様)自分も最後まで投げようと思っていたから、悔しかった」と振り返った。

 「白鴎大として初めてのベスト4。4年生を中心としてそこを絶対とろうと話していた」とし、まずは目標の4強入り達成。次戦は、決勝進出をかけ明大(10日・神宮)と対戦する。

【大学選手権】目標だった初の4強達成 白鴎大の先発・山田怜卓が7回1失点の好投も「悔しい」 : スポーツ報知

 

【山田選手の紹介】


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180センチ85キロ 右投げ右打ち

変化球:スライダー・カーブ・チェンジ

 

 セットから軸足を曲げ重心を落とし、あまり体を捻らない力みのない横手投げのフォームから最速148キロ、常時140前半のストレートを投げ込む右腕投手。120後半のスライダー、100キロ台のカーブ、130中盤の外に動くチェンジアップを投げ込んでいきます。

 武器は浮き上がるストレートとスライダーのコンビネーション。140前半ながら力みを感じさせないサイドスローから浮き上がるような軌道で打者に向かっていくストレートで空振りを奪い、左打者のインコース、右打者のアウトコースに安定して投げ込めるスライダーで見逃しを奪い打ち取っていきます。

 チームでは主に先発で起用。4試合に登板し22イニングで自責点はわずか2失点と安定して成績を残しています。直球が武器のサイドスローとしてさらなる活躍が期待されます。

 

【指名への課題】

 課題はストレートのコントロールとそれに伴うチェンジアップの精度不足。山田選手の武器は140前半のストレートですが、コントロール面ではばらつきが残り、基本的な高めに集まることが多くなっています。右に対してはインハイに抜けるため失投になってもボールとなるだけですが、左に対しては一番バットを出しやすいアウトコース高めに抜けてしまい、これを痛打され外野に運ばれることが多くなっています。

 

 またストレートが高めに集まるため、左打者の外に逃げるチェンジアップを低めに投げられてもストレートとの見極めが容易で多くが見切られてしまっており、対右に対しては1割の被打率ですが、左からの被打率は3割以上打たれてしまっており、右のサイド共通の課題である左打者への対応が鍵となっています。

 

【指名順位予想】

 変則は基本的に素材型としてはあまり評価されず、即戦力でなければ避けられる傾向があります。大卒時点でサイドスローながら140前半を安定して出せている点は評価ポイントですが、計算できる変化球がスライダーのみというのは厳しく、チェンジアップは見切られやすく抜けると遅いストレートになりこれを長打にされ崩されています。

 サイドスローは縦の変化が主な武器のため、打者が低めに意識を向けるようストレートを低めに集められるコントロールを身に着けられるかがカギとなります。このため現状では指名漏れの可能性が高くなっています。社会人で球威もしくはコントロール。そして変化球の精度向上を期待したいところです。