<高校野球東東京大会:日本ウェルネス5-1正則>◇12日◇2回戦◇神宮
日本ウェルネスの今秋ドラフト候補、193センチ右腕の辻口輝投手(3年)が初戦に先発し、14奪三振の1失点(自責0)で完投した。打撃でも、2安打2打点をマークした。
5球団10人のスカウトが熱視線を送る中、193センチ、83キロの長身から伸びのある直球と多彩な変化球を投げ込んだ。
9回を3者凡退に抑えると「よっしゃー!」とガッツポーズが飛び出した。猛暑の中の試合となったが、終盤になってもスタミナは落ちなかった。「最初から投げきるつもりでした。バテるかなと思ったけど、投げきることができました」。磯口洋成監督(74)は「後半も球威が落ちなかった。予想以上のピッチングでした」と評価した。
ブラジル人の父と日本人の母を持ち、身長は「まだ伸びています」と笑顔。長い手足をいかし、左足を高く上げるロッテ佐々木朗希投手(21)似のダイナミックなフォームから投げ込む。高校野球界でも速球派が増えているが「あんまり気にしていません。僕はしっかり指にかかった直球を投げたい」と意に介さない。スカウトのスピードガンでは、この日は最速137キロだった。
帽子のツバには「日本一」と自分で書いた。「夏は、まず(東東京大会の)優勝を狙っています。個人的には、全試合を1人で投げきることが目標」と掲げた。
日本ウェルネスの辻口が今秋ドラフト候補に急浮上!14奪三振で完投勝利 投打で活躍/東東京 - 高校野球夏の地方大会 : 日刊スポーツ
【辻口選手の紹介】
193センチ85キロ 右投げ右打ち
変化球:スライダー・カーブ
セットから大きく足を上げタメを作らず、大きく腕を振るフォームから最速140キロ、常時130中盤のストレートを投げ込む右腕投手。120キロ台のスライダー、100キロ台の大きく弧を描くカーブを投げ込んでいきます。
武器は190センチ超えの長身から投げ込まれる角度のあるストレート。テイクバックは小さくスリークォーターの角度から投げ込まれるが、長身から投げ込まれるため打者は差し込まれ外野深くまで飛ばせず押し込まれています。そこに落差のあるカーブ、カウントを整えるスライダーを使い分け打者を打ち取っていきます。
チームでは主に先発で起用。故障に悩まされ、1年次は手首を疲労骨折。さらに今年はわき腹の肉離れで調整が遅れながらも正則戦では9回1失点17奪三振と好投、さらに小山台戦では11回3失点とタイブレークを一人で投げ抜きドラフト候補に浮上。高身長ながら変化球を投げ込める器用さを多くのスカウトに評価されています。
まだ身長は伸び続けており、2m超えも見えてくる長身右腕としてさらなる成長が期待されます。
【指名への課題】
故障に悩まされたこで体づくりも遅れているため下半身が細く、投げ込む際に上半身が突っ込んでしまい、ストレートが抜け球になる割合が多くなっています。まだ下半身が細いためにフォームを安定させるために身長を活かし角度をつけて腕を振るフォームではなく、上半身をあまり動かさないよう腕の角度は低めの反動が少ないフォームで投げ込むため、身長のわりに角度を使えていません。
またフォームが安定しないためコントロールもばらつきがあり、ストレート・スライダー・カーブどれも構えたところに投げられていません。高校野球の広いゾーンでストライクを取れている面が強いため、プロ入り後すぐに制球面に苦労することが予想されます。
【指名順位予想】
190センチ超えのプロ野球選手はオリックス・山崎選手や巨人・横川選手など現役でも一軍で活躍している選手はおり、190センチは投手として大きなアドバンテージとなります。
ただし下半身が細いために上半身が前倒れにならないよう振りの反動が少ないフォームのため、体作りを行い長身をいかしたフォーム改造、変化球のさらなる開発など時間がかかりますが、変化量の大きいカーブを投げ込めるなど身長以外でも技術面である程度期待できるため、素材型として7〜8位となります。