◆第105回全国高校野球選手権記念大会第12日 ▽準々決勝 土浦日大9―2八戸学院光星(19日・甲子園)
8安打もここぞの一本が出ず、光星自慢の強打線が機能しなかった。5回1死一、三塁で2―3に迫る遊ゴロを放った主将の3番・中沢恒貴遊撃手(3年)は「しっかりつなぐのが理想だった。最低限しかできず悔しい」と唇をかんだ。
部員151人の大所帯は広陵(広島)と並んで出場校最多。一致団結するため、大阪入り後もベンチ入りメンバーだけでなく、練習補助役で帯同する3年生もシートノックに入る。コロナ禍による入れ替えも考慮しての習慣だったが、仲井宗基監督(53)は「(甲子園を)全員で勝ち取ったんだから、このまま全員でやろう」とスタンドの横断幕にも掲げた「一人一役全員主役」を最後まで貫いた。昨秋県大会初戦敗退の悔しさから始まったチームを、甲子園8強まで先頭で引っ張ってきた中沢恒主将は「全員が最後まで戦い抜いてくれたと思います。後輩たちには来年も来いと伝えたい」と思いを託した。
【中澤選手の紹介】
178センチ80キロ 右投げ右打ち
ポジション:ショート
高校通算24本塁打、県内No.1と評される打撃センスの持ち主であり、しっかりと肘を伸ばしたフォームで長打を生み出す右の内野手。振り切るスイングでセンター方向に長打を打てるパワーだけでなく、インコースに差し込まれた当たりでもリストの強さをいかし押し込まれずにライト方向に打ち返せる手首の強さも魅力となっています。
また守備でもリストの強さを活かし体勢を崩しながらも深いところから投げ込めるスローイングを披露しており、打撃・守備ともに素材の良さをいかしたアピールをしています。
プロ志望提出済み。U-18代表候補にも選ばれており、打撃型ショートとして注目されています。
【指名への課題】
打撃の課題は肘を伸ばし大きくスイングするスタイルのため、現状ではインコースに押し込んでくる球も押し返せていますが、打球自体は流し打ちで打ち返すライナー性の打球でなく、なんとか内野の間を抜ける当たりや頭を超えたものと、無理に押し返しているために木製バットでは内野ゴロになるあたりが多くなっています。
また守備は守備範囲が広いほうではなく、スローイングも投げるまでの投球動作が粗く、ショートとしての守備範囲はぎりぎり許容できるレベル。打撃で結果を残せなければ起用が厳しいため、プロ入り後は打撃を活かしたショート。もしくはリストの強さを活かしセカンドとなります。打撃・守備ともに魅力はあるが粗さがあるのが現状の評価となります。
【指名順位予想】
上位で高卒内野手を補強できなかった球団が下位で打撃型内野手を獲得する際に候補となる選手。ショートとしては素材型で技術面ではまだ粗さがあるため、特定のポジションのレギュラー候補でなく、コンバート前提で複数ポジションで起用されながら打撃で結果を残し、空いたポジションで起用されていくタイプとなります。
このため高卒ショートの中でも優先度は低め。現状の指名順位は6~7位候補となります。