読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

2月11日巨人紅白戦振り返り 目立った選手について

 2月11日に1軍対2軍の初実戦の紅白戦が行われ、23年ドラフト組の西舘・佐々木・泉口・又木選手に加え、トレード組の泉・高橋礼選手が出場した注目の試合となりました。

 今回はその中で目立った選手について触れていきます。ちなみに内容はよくも悪くも目立った選手となるため、マイナスアピールになった選手も触れていきます

 

【紅白戦全体の振り返り】


www.youtube.com

 各選手に触れる前に、紅白戦全体の試合内容について。巨人紅白戦恒例の0点が並ぶチャンスで一本出ない試合となりました。この時期は投手の方が仕上がりが早いため投手有利ですが、それでもあと1本が出ませんでした。

 そして特に内野手のエラーが目立ち、サード・セカンドに入った中山・ティマ・増田陸選手のエラーが多くなっています。ショートは守備が安定している門脇・泉口選手なのに対し、打撃型で守備については去年からも課題だった3選手のためエラーは想定内だったものの、それにしてもエラーが多い試合となりました。

【投手】

【①:松井 颯選手】

 

 オフに二段モーションから一段モーションにフォームチェンジを行い球速を伸ばした松井選手。以前のようにタメを作らず足を上げてからは一気に投げ込むため、フォームの安定感が落ちストレートのばらつきが目立つようになっています。

 フォーム変更後初実戦ということで今後変化球の精度アップが求められますが、

【②:西舘 勇陽選手】 


www.youtube.com

 1イニング限定で登板。1回無安打無失点とノーヒット投球でしっかりアピールしています。投球内容自体はストレートだけでなくカーブやフォーク・カットと様々な持ち球を使い、ストレートで押すタイプでなく様々な変化球で狙い球を絞らせない安定感を見せました。

 一方でフォーク・チェンジ系の球が抜け気味で得意球とするカットボールも抜けたりと、球種によって精度に差が見受けられました。左に対して投げ込む球が甘いところに抜けるものもあったため、今後も変化球の精度向上が目標となります。

 

 

【③:平内 龍太選手】

 今年から投球フォームをセットからワインドアップに変更した平内選手。シート打撃では安定していたものの、今回の投球は荒れ荒れ。ストレート・変化球どれもすっぽ抜けており、カーブが頭付近に抜けることもありました。

 とにかく構えたところにボールがいかないボール先行投球となり、今回は悪印象を残す結果となりました。

【④:田中 千晴選手】

 11日の8回に登板。去年はストレート・フォークのみの投球スタイルでしたが、今回の投球では大きく縦に割れるカーブを投げていました。去年のオフから先発を目指し新球の習得にはげんでおり、その成果を見せる場面となりました。

 気になる点としては武器だったフォークの精度がさらに悪くなっていたこと。本人もフォークの精度はまだまだと語っておりオフに精度アップい取り組んでいましたが、今回投げたフォークのほとんどが指を抜けていました。そのためストレートにはられてしまい高めに抜けたストレートを増田陸選手に本塁打寸前の三塁打にされています。

【⑤:堀田 賢慎選手】

 堀田選手は2イニング無失点。エラーも絡みワンアウト3塁1塁とピンチに陥りましたが、武器であるストレートで押して犠牲フライを許さず打ち取っています。

 変化球はまだばらつきが見られましたが、持ち味だったストレートの球威は戻っており、現状の投球内容ではまだ2軍スタートとなる可能性が高そうですが、将来性は期待できる内容でした。

 

【⑥:畠 世周選手】

 23年は故障に悩まされ2軍でも1桁試合数しか出場できなかった右腕投手。中継ぎ整備が叫ばれる今のブルペン事情で復活が求められるベテラン投手です。

 今回の試合では150キロ前後の力あるストレートを武器に1回無失点。ストレートだけでなくチェンジアップ系の球も安定し、左打者もしっかりと打ち取りました。ストレート・変化球どちらも安定しており、1軍実績の豊富さを見せつけました。順調にいけば1軍中継ぎの一人として期待できる内容でした。

【⑦:又木 鉄平選手】


www.youtube.com

 シート打撃では三振の山を気づき即戦力候補としての実力を見せつけた変則左腕。今回は1回1安打無失点2三振と、大城選手にヒットを打たれエラーも絡みピンチになったものの、武器のストレートを中心に打ち取っていました。

 特に左打者はストレートに振り遅れる場面が目立っており、変化球も大崩れしないため不利なカウントにならないのが強み。右打者のほうが見やすいためストレートに合わせられているのが課題のため、2ストライクに追い込むまでにいかに狙い球を絞らせず追い込むかが今後のポイントとなります。

 

 

【⑧:エルビス・ルシアーノ選手】

 最速154キロのストレートが武器の育成右腕。1年目は故障が長引き実績は少なくフォーム固めがメインとなりました。

 今回の試合内容はストレートを中心とした攻めのスタイル。高めに浮いたストレートでも泉口・松原選手を押し込みレフトフライに打ち取っていました。

 一方で変化球がほとんど決まらずボールカウントを増やすばかりとなっており、それがストレート押しの理由となっていました。特にフォークが抜けており、打者がスイングの始動にさえ入っていません。カーブ系の変化量の大きい球もなく、打者はタイミングを合わせやすくなっていました。

 

【⑨:京本 眞選手】


www.youtube.com

 育成投手の中で支配下最有力に挙げられる一人。今回の紅白戦では8回に登板し最速152キロを投げ1回無失点と好投。力あるストレートで抑え込み、落差のあるカーブで大きくタイミングを外し引っかけさせ、持ち球のチェンジアップで空振りを奪います。

 惜しい当たりは全くなく、佐々木選手が唯一粘ったものの最後はアウトコースストレートに空振りを奪われており、あとは140キロ台のチェンジ・スプリット系の球の変化量が上がり安定して空振りが奪える決め球になれば1軍も期待できます。

 

【野手】

【①:泉口 友汰選手】


www.youtube.com

 23年ドラフト4位で入団した即戦力候補の一人。今回はDHスタメンで出場し、途中からショート守備に入っています。

 打撃では3打数1安打だったものの、直江選手との対戦ではインコースのストレートはカットし、変化球は我慢してフルカウントまで持ち込みヒットにするなど、今の巨人に求められる嫌らしい打撃を披露していました。

 また守備でも丁寧で堅実なショート守備を披露し、ゴロを丁寧に処理しスローイングも安定。即戦力内野手としてしっかりアピールしていました。

 

【②:中山 礼都選手】

 今回はサードスタメンで出場。内容は3-1となりましたが、ヒットだけでなくサード守備が不安定なティマ選手を狙いセーフティバントで出塁を勝ち取るなど、打撃面では小技を使えることもしっかりアピールしています。

 一方で守備は課題を多く残し、特に送球が安定せずエラーを連発。去年からサード守備は課題だったものの、今年もこの内容ならサードで起用するのは不安を残します。ショートは門脇・泉口選手と守備が安定した選手がいるため、今の守備力で内野に食い込むには打撃でさらなるアピールが必要です。

【③:増田 陸選手】

 最終回にあわやホームランの三塁打を打ち長打をアピールし、4-1に加え1打点と打撃面ではアピールに成功しました。

 一方で守備ではセカンドに入ったものの、送球コントールが悪く若林選手が途中交代となった原因の悪送球、さらに送球自体も弱くセカンドでも課題を残しました。12日の紅白戦ではサードで起用される見込みですが、この送球コントロールの課題をどれだけ抑えられるかがポイントです。

 

【④:佐々木 俊輔選手】

 23年ドラフト3位で入団した即戦力候補の一人。ただ今回の試合では悪印象を強く残してしまった選手。打撃では4の0、引っかけた当たりが非常に多く、守備では中田選手にセンター前で二塁を許したり、風に流されたとはいえ落球するなど後をひくないようとなりました。

 阿部監督からはフォローされていましたが、5番候補の一人として名前が上がるほど期待されていたため、今回の試合内容は手痛い実戦となっています。

 

【⑤:フリアン・ティマ選手】


www.youtube.com

 デラクルーズ選手とともに将来的なメジャークラスと評価され入団した若手野手。もともと外野手登録だったものの去年からサードとして出場しており、今回の紅白戦もサードスタメンとなりました。

 守備は転向当初よりはましになったものの、平凡なゴロをこぼしてしまう場面も見られました。一方で肩の強さもしっかりアピールしており、軽く投げたスローイングが緩まないストレート送球という、技術面はまだまだですが素材の良さはアピール成功。平内選手の低めストレートをセンター方向に飛ばすパワーも披露しており、走塁でもサードで大回りになるロスはあったものの、レフト前でセカンドからスピードが乗ってから一気に本塁突入できる足の速さも見せています。

 

 

【⑥:中田 歩夢選手】


www.youtube.com

 今回の紅白戦では松井選手とともに出場した22年育成ドラフト組。強肩好守の守備型内野手として入団し、今回もショートスタメンで起用されました。

 実況からも一番アピールできていると語られた通り、打撃ではセンター前ヒットに積極走塁を試みて二塁セーフを勝ち取り、守備では中山選手のレフト方向への打球をスライディングキャッチからの肩を使わない小さめのスローイングながらノーバウンド送球でアウトにしており、阿部監督にも攻守両面でアピールできています。