読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

外に投げ分ける変化球が魅力 京都国際 中崎 琉生選手 高卒左腕投手

2年前に先輩たちが立てなかった舞台で京都国際ナインが全力を出し切った。東北王者・青森山田を相手に8回に2点差を追い付く粘り。9回1死三塁から痛恨のサヨナラ打を浴びたエース左腕で主将の中崎琉生は、夏のリベンジを誓った。
 「自分が打たれて負けたのは本当に申し訳ない。“夏に絶対帰ってくる”という気持ちが芽生えたので、一人でも京都大会を投げ抜いて甲子園に出たい」

 森下瑠大(現DeNA)を擁した22年の春は優勝候補に挙げられながら、大会直前にコロナ禍で出場辞退。前夜に森下から激励されたという中崎は「マウンドに立った時に、2年前の先輩方の顔が思い浮かんだ。結果で恩返しできず悔しい」と唇をかんだ。

 近畿勢は13年以来11年ぶりに開幕から5連敗。この悔しさをバネに、全国で勝てるチームとなって夏に戻ってくる。

京都国際のエース左腕、中崎主将「“夏に絶対帰ってくる”という気持ちが芽生えた」― スポニチ Sponichi Annex 野球

 

【中崎選手の紹介】


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177センチ78キロ 左投げ左打ち

変化球:スライダー・カーブ・カット・チェンジ

 

 セットからあまりタメを作らずスリークォーターよりも低い角度からテンポよく投げ込むフォームから最速143キロ、常時130中盤のストレートを投げ込む左腕投手。110キロ台のスライダー、100キロ台のカーブ、120キロ台のチェンジアップを投げ込んでいきます。

 武器は横の角度から流れていくストレートとコースに投げられるスライダーのコンビネーション。低めに投げ込むストレートと、同じ軌道で外に逃げるスライダーの見分けのつきにくい組み合わせで打者に自分のスイングをさせずに打ち取っていきます。

 チームでは主に先発で起用。コースに投げ込むコントロールを武器に2年秋の秋季大会では8試合62イニングを投げ自責点5で防御率は驚異の0.73.四死球率も1.16と高い制球力を見せています。

 走り込みを減らす代わりに筋力強化に取り組むチーム方針で2年冬に股関節強化、筋力強化に取り組んだ結果体重が5キロアップし球威の向上に成功。制球力に加えストレートの力強さも加わりストレートで押せるようになっています。

 制球力がある左腕として6年連続のドラフト指名を狙う投手となっています。

 

【指名への課題】

 課題は立ち上がりの失点の多さ。選抜の青森山田戦では初回にストレートが高く浮く場面が目立ち、ストレートを狙われ痛打されていました。左に対してはストレートとスライダーの軌道が見にくいこの2球種の組み合わせで打ち取っていくため、ストレートが浮くと見極められ失点。ストレートに角度があるタイプでないため低めに集められないと打者が釣られてくれず、不利なカウントに繋がっています。

 この初回に失点する流れも2年時からも抱えており、2年次の秋季近畿大会では先発した3試合のうち2試合で初回に失点しています。ストレートに対しては引っ張りでなく踏み込まれセンター・レフト方向に流し打ちされているため、左打者のインを詰まらせるカットの精度アップが今後の課題となります。

 

 

【指名順位予想】

 2年時から制球の良さは実績として積み上げているため、あとは立ち上がりにストレートの制球が不安定になる課題をどのように解決するかになります。横手投げ左腕が急激に球速を上げる例は少ないため、左打者にどれだけ踏み込ませない投球ができるかが鍵となります。

 コントロールがよいためインへのストレートは投げ込めますが、制球が安定しない立ち上がりはどうしてもアウトコース中心となるため、カット・シュート系を投げられる器用さをアピールできるかが上位指名のラインとなります。

 制球がよく決め球のスライダーをコースに投げ込める左腕はそれだけで貴重なため、現状では4~5位が指名順位となります。横手投げはどうしても球速が上がりづらいため、球速以外の部分でどれだけ伸びしろを披露できるかが鍵となってきます。