<高校野球岡山大会:倉敷商2-1岡山南>◇17日◇2回戦◇倉敷マスカットスタジアム
プロ注目の最速151キロ右腕、倉敷商・引地秀一郎投手(3年)が、投打のヒーローになった。
投げては、力強い速球と制球力を武器に13奪三振。9回1失点で粘り強く投げ抜いた。打っては1-1の9回1死二塁で、中堅へ適時二塁打を放ちサヨナラ勝ちを決めた。「先頭の小引が出塁して、次の岡本もバントをきっちり決めて、もう自分が決めるしかないと思っていた」と投げて打って勝利に導いた。
今年1月にOBで楽天球団副会長の星野仙一さんが亡くなった。引地も偉大さを日頃から感じており「倉商の名前を全国に広めてくれた方。星野さんの分まで甲子園に行って恩返しできるように、頑張ろうと思っています」と力強く話した。
【引地選手の紹介】
186センチ82キロ 右投げ右打ち
変化球:スライダー・カーブ・フォーク
セットポジションからゆったりと投球フォームに入り、力強く腕をふるフォームから最速151キロ、常時140中盤のストレートが武器の大型右腕。変化球は高さのあるカーブで緩急を交え、高校生では打てないと評される縦のスライダーで空振りを奪います。
多くのスカウトからその恵体と速球、そしてスライダーを高く評価されており、ポテンシャルが期待されている選手となります。
【指名への課題】
投手としては荒削りと言わざるをえない内容となっており、特にフォームは動きが固く、腕の振りだけで投げているような状態です。
このためストレートは球速のわりにバットに当てられやすく、フォークも見送られることが多くなっています。コントロールが良いほうではないため、高めに抜けると空振りを奪えずカウントを悪くすることがあります。
特に低めのストライクコースを狙ったものが決まらないためカーブでカウントを整えることが多く、ストレートで見逃しを奪えていないため、カウントを悪くなったところで整えるために投げたカーブを狙い撃ちされる恐れがあります。
【指名順位予想】
ロマンはありますが、一方でフォーム改造が必要であり、フォームを弄ることで制球とスライダーが悪化する恐れがあります。ただ上半身だけで投げている状態で常時140中盤出ているため、フォーム改善に成功すれば150近い球を常時投げれるパワーピッチャーにもなれる可能性を秘めた選手です。
このため指名順位は3~4位を候補としています。ロマンはある一方リスクもあるため、2位になるにはマイナス面が大きく、かといって大きな可能性は秘めた選手であるため5~6位となるほどではないと判断しての順位となっています。