◆第95回センバツ高校野球大会第1日 ▽1回戦 東北―山梨学院(18日・甲子園)
東北(宮城)のハッブス大起投手は、5回2死から四球と連打で2点を失い、マウンドを降りた。
初回は140キロを超える真っすぐを中心に3者凡退。しかし2回以降は制球にも苦しみ、毎回走者を背負った。4回2/3を投げ5安打5四死球で2失点。最速143キロをマークし6三振を奪ったが、打線の援護もなくリードを許してマウンドを降りた。
ハッブスは同校の先輩・ダルビッシュへのあこがれを公言し、同じ背番号1を背負っての甲子園初登板。センバツではダルビッシュを擁した04年以来となる同校の白星を目指して先発したが、無念の降板となった。
【ハッブス選手の紹介】
188センチ86キロ 右投げ右打ち
変化球:スライダー・カーブ・フォーク・カット・ツーシーム・スプリット
ノーワインドアップからゆったりと足を上げ、あまり上半身を突っ込ませず最速145キロ、常時140前半のストレートを投げ込む右腕投手。120キロ台の縦のスライダー、90キロ台のブレーキのきいたカーブ、120キロ台のフォークを投げ込んでいきます。
武器は140前半のストレートとスライダーを中心とした6種類の多彩な変化球。ダルビッシュ選手に憧れ東北高校に入団。さらにダルビッシュ選手の握りを参考に覚えたツーシームで先発として活躍。また元々は闘志を表に出す投球スタイルでしたが、監督のアドバイスで冷静なマウンド捌きを意識するようになったことで投球にも余裕が生まれたと語っています。
チームでは秋本選手とともに先発2枚看板として32(2/3)イニングを投げ防御率1.93と結果を残しています。投手向きの体つきをした素材型右腕としてさらなる成長が期待されます。
【指名への課題】
課題はスタミナと決め球に欠ける点。4回を超えた辺りから高めに抜ける球の割合が増える上に球速もどの球種も5~6キロ程度落ちてしまうため、空振りを取れていた高さも空振りを奪えないどころか合わせた当たりでも外野に運ばれてしまっています。
また変化球種こそ多いものの、どの球種も精度に課題があるため決め球にできるほどの変化量やキレがありません。そのためまだスタミナがあるときはストレートとスライダーで空振りが取れますが、スタミナが切れるとスライダーが高めに抜けるため変化球で空振りを奪えず、加えて牽制があまり上手くないためにランナーが出るとストレートの割合がさらに増えてしまうのも捉えられる要因となっています。
【指名順位予想】
スタミナ不足や武器となる変化球の精度が足りないといった課題もあり、同学年に秋本選手がいるため長いイニングを投げた経験が少なく、5回を超えると露骨に球速が落ち制球が悪化してしまうのは先発として見通しがたたないものの、3年春で平均球速が140前後出ている点は評価ポイントとなります。
ただし高卒である以上先発として計算できなければ指名候補とはならないため、7回前後まで大きく球速が落ちないスタミナと、本人も決め球と語るフォークの精度アップが図れれば6~8位の下位指名候補。達成できなければ指名漏れとなります。