SUBARUは試合の度に打順が変わる。その中で唯一不動なのが4番・外山優希だ。専修大から入社2年目の外山が、4打点の活躍で7年ぶりの第1代表にチームを導いた。「気持ちいいですね」
3連打で1点リードした後の五回1死二、三塁で左打席に入る。「最初のスイングは思い切りいこうと思っていた」。日本製鉄鹿島の先発・佐田健介の初球、フォークを強振した。打球は中堅のバックスクリーンに飛び込む3ランとなり、走りながら右手を突き上げた。
一回2死一塁では直球をとらえて左翼への先制二塁打としていた外山は、「(四回の)第2打席はフォークで打ち取られた。初球は真っすぐはないな」と読んだ。
佐田とは昨年の第1代表決定トーナメント準決勝でも対戦し、九回1死まで無安打に抑えられた苦い記憶がある。その時に初安打を放ったのも外山だった。
今年の打線は昨年とは粘りが違う。三回に2番・藤原龍之介がファウル6球で粘って計11球を投げさせるなど、佐田は四回までに90球を要していた。外山が本塁打にしたのは佐田の106球目だった。
目標に掲げた第1代表を獲得した就任1季目の小川信監督は「ホッとしたのと選手がすごく成長したのといろいろあって」と試合後、うれし涙を流した。
不動の4番・外山優希 SUBARUを第1代表に導く4打点 都市対抗 | 毎日新聞
【外山選手の紹介】
186センチ97キロ 右投げ右打ち
ポジション:ファースト
解禁年:2025年
通算4本塁打、1年目から4番で起用される左の大型内野手。どっしりと構え力強く振り切るスイングで長打を生み出し、低めの変化球を掬い上げバックスクリーンに放り込むパワーを披露しています。
また勝負強さも光り、北関東大会では4番で12打数5安打1本塁打打率.417と好打率に加え、7打点とチームの全国出場にも大きく貢献しました。
監督からも新人のころから思い切りの良さがありチームを勢いづけてくれる存在と評価しており、打撃評価が高く打点を稼げるスラッガーとしてさらなる活躍が期待されます。
【指名への課題】
課題は今年に入り対左の打率が悪化していること。外山選手の打球方向はスラッガーながらセンター~レフト方向への反対側の打球が多く、ライト方向への引っ張りの打球は意外と少なくなっています。
原因が左投手の緩い球を捉えられなくなっており、特にスライダー・カーブには引っかけたようなゴロが非常に多くなっています。1年目は左右問わずしっかり打てていましたが、シャープなスイングを意識できる右のアウトコースに比べ、球が来るのが遅く溜めてしまう左の緩い球は力んだスイングで体がぶれやすくなっています。
また守備は腰を落とさず高い位置のまま捕球してしまうことがあり、守備の動き自体は機敏であるものの、細かな部分ではまだ粗が残っています。
【指名順位予想】
ポジションはファーストまたはDHのみでコンバートできる可能性は低いため、現状では打撃評価のみの選手になります。
守備も決して上手いほうではないものの、スラッガータイプの課題である逆方向への打撃は苦手としておらず、あとはタイミングの取り方の問題のため、急ぎで左の打てる野手が欲しい球団にとっての指名選手になります。
現状では6~7位指名候補。守備・走塁がここから大きく向上するタイプではないため、課題である対左に対し引っ張りの打撃ができるかどうかが指名順が上がるポイントなります。