<高校野球和歌山大会:近大新宮3-0和歌山東>◇27日◇準決勝◇和歌山市紀三井寺
春県準優勝の和歌山東が準決勝で敗退した。初の夏決勝進出と夏の甲子園出場を逃し、選手たちは試合後に号泣した。
3回に1点の先制を許し、8回にミスも絡み2失点。打線は終盤にチャンスを作るも完封負けだった。
プロ複数球団が視察した強打者・谷村剛(つよし)内野手(3年)は3打数0安打1四球で、高校最後の夏を終えた。
涙ながらに「甲子園ベスト8という目標でみんな頑張ってきた。達成できないことも、自分がチームに貢献できなかったことも悔しい」と振り返った。
高校通算24本塁打で、今大会も本塁打を放った。プロ志望届は「出します」と答え「チャンスに強いバッターになりたい」と意気込んだ。米原寿秀監督(49)は「まだまだ伸びしろのある選手。プロの世界にもし行けたら、活躍できる大きな選手になってほしい。良い性格をしているので、ファンに愛される選手になってもらいたい」とエールを送った。同校出身のNPB選手にはソフトバンクの津森宥紀投手(26)がいる。
プロ注目の和歌山東・谷村剛が涙「チャンスに強いバッターに」プロ志望届は「出します」/和歌山 - 高校野球夏の地方大会 : 日刊スポーツ
【谷村選手の紹介】
177センチ79キロ 右投げ左打ち
ポジション:サード
高交通算24本塁打、鋭いスイングで長打を生み出す左のスラッガー。魅力は本人も意識して取り組んでいる鋭さもありながら柔らかいスイング。緩い変化球にはしっかりと振り切りライナー性のヒットで対応し、速球にはセンター方向にはじき返す打撃技術を披露。また練習試合ではすでに木製バットを使い長打を量産しており、柔らかいしなるスイングを意識している谷村選手は木製のほうが合っていると語っており、高卒選手の課題である木製バットへの適応も期待されています。
また守備は主にサードを守り、軽快な動きで難しいゴロも難なく捌き、矢のような送球で安定してアウトにしています。
チームでは主に3番で起用。勝負強さを武器に地方予選では14打数7安打7打点で打率.500を記録。スカウトからも力強いスイングを評価されており、プロ志望を表明していることから強打のサードとして期待されています。
【指名への課題】
課題は緩い変化球・縦の変化球に対する打撃のミート技術がまだ確立されていないこと。特に縦のスライダー・カーブ系の緩い変化球にタイミングが合っておらず、体勢を崩されたスイングが多くなっています。このため芯に合わずバウンドの高く打球速度が死んでしまうゴロで打ち取られており、力強いスイングから生み出される打球速度の速いヒットは完全に封じられています。
一方で速球に対しては力負けせずしっかりと打ち返せているため、谷村選手の課題は速球に差されるパターンではなく、緩急をうまく切り替えられずカットしきれずに打ち取られるのが課題となります。
【指名順位予想】
魅力は打撃で守備は安定しているものの、指名順位をあげるほどではなく、足もあまり速くありません。内野でサードを守れながら打撃評価が高い点は評価ポイントですが、スラッガータイプというよりは率を残す中距離型。しかし右投手の多くが投げられるスライダー・カーブ系に上手く合わせられない点は課題となります。
現状では4~5位指名候補。打撃に穴はあるものの、打撃力がありながらサード守備も軽快という点で中位となっています。