読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

ダイナミックなフォームで力あるストレートを投げ込む 大島 大野 稼頭央選手 高卒左腕投手

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日本高校野球連盟は3月31日、今年9月に米国で開催予定のU18ワールドカップ(W杯)に参加する高校日本代表の1次候補29人を発表し、県立大島高校奄美市名瀬)の大野稼頭央(新3年)が投手10人のうちの1人に選ばれた。

 1次候補の選考対象は第94回選抜高校野球大会(3月19~31日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場)に出場した選手。最終的には夏の全国高校野球選手権大会の期間中に選手20人を決定する予定。

 発表を受け、大野は「甲子園で自分らしいピッチングができなかったので、なんで自分が、と思うくらい驚きが大きかった」と話し、「選んでいただけて非常にうれしい。今後の大会で結果を残して最終選考に残りたい」と意気込んだ。

 大島の塗木哲哉監督は「チームを引っ張る立場の大野が、レベルの高い選手たちと交流することは彼自身のブラッシュアップにつながる。本人が野球を続けていく中で良い経験。ぜひ最終選考まで残ってほしい」と期待を寄せた。

大島の大野、日本代表候補に 「驚き、非常にうれしい」 野球U18W杯(南海日日新聞) - Yahoo!ニュース

 

【大野選手の紹介】


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175センチ65キロ 左投げ左打ち

変化球:スライダー・カーブ・チェンジアップ

 

 ノーワインドアップからしっかりとタメを作り、全身を使った躍動感のある投げっぷりから最速146キロ、常時130中盤のストレートを投げ込む左腕投手。120キロ台の落差のあるスライダーに110キロ台のゆったり変化するカーブ、まっすぐ落ちるチェンジアップを投げ込んでいきます。

 武器は躍動感のあるフォームから投げ込む力あるストレート。130中盤ながら非常に伸びがあり、打者のインコースに食い込むコントロールもあります。力あるストレートを見せられた後に落差のあるスライダーとカーブで打者を翻弄していきます。

 選抜では明秀日立戦で先発。味方の守備に何度も泣かされ9回8失点と本人も納得していない結果となりましたが、多くのスカウトが素材の良さを評価しており、U-18の代表候補の選出。素材型左腕として注目されます。

 

【指名への課題】

 課題は対右への変化球。選抜では対左は12打数3被安打で被打率は.250ですが、対右は20打数7被安打6四死球で被打率.350に四球数も大きく増えています。原因はスライダー・カーブを右打者に対して効果的に使えていないこと。インコースにはクロスファイアのストレートを投げ込む、アウトコースにスライダー・カーブを投げ込み見逃しを奪う、膝元へのチェンジアップで詰まらせるのが左投手の対右打者への攻めのパターンとなります。

 しかし大野選手の変化球はボール一つ分コントロールが足りず、見逃しを奪えるゾーンに投げられていません。このため右打者に見逃されたり、ボール一つ分ストライクゾーンに余計に入り当てられてしまい、左に比べストレート重視となり、フルスイングで来るため三振こそ奪えていますが、ボールカウントが悪くなる分四球も増えています。

 また左に対してはストレートをしっかりインコースに投げられるのに対し、右に対しては頭部付近に抜けることもあり、死球への恐怖からスタミナが切れてくると、アウトコース偏重の要求になってしまうのも変化球が当てられる原因となっています。

 

【指名順位予想】

 まだ体も細く素材型の要素が強い選手。球速が常時140前半まで伸び、チェンジアップの精度が上がれば右打者のインコースをより効果的に使え、スライダー・カーブとの球速差である程度ストライクゾーンに入っても勝負できるため、ここからどこまで球速を伸ばせるか、またスタミナをつけインコースにしっかり要求できるようになるかがカギとなります。

 上記課題を達成できれば5~6位の下位指名候補。上位となるにはストレートに加え、変化球でも安定して空振りを取れる精度を得ることが必要となります。